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「日本から第2のGAFAは生まれないし、それを目指す必要もない」アメリカ人政治学者がそう断言するワケ

PRESIDENT Online

日本経済が「賃金停滞」から抜け出すためにはどうすればいいのか。カリフォルニア大学バークレー校のスティーヴン・ヴォーゲル教授は、「ベンチャーキャピタルや活発な労働市場の土台がない日本で、アメリカのGAFAのまねをしようとしてはいけない。デジタル化を進めつつ、日本の得意分野をもっと伸ばすべきだ」という――。(第3回/全3回)(取材・文=NY在住ジャーナリスト・肥田美佐子)

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/JHVEPhoto
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日本が第2のGAFAを生み出すのは至難の業

——教授によれば、賃金停滞には日本経済の弱さが大きく関係しているということですが(第1回・第2回)、30年余り前、日本企業は「世界時価総額トップ50社」の大半を占めていました。しかし、今やトヨタ自動車1社という凋落ぶりです。

日本で、米グーグルや米アップル、米フェイスブック(現メタ)、米アマゾン・ドット・コムというテック大手「GAFA」や国際的なスタートアップが生まれないことと賃金停滞には関係があるのでしょうか。

GAFAを擁しているのは、世界中で米国だけです。日本にないからといって、心配は無用です。というのも、それが、インターネット革命の本質である「勝者独り勝ち」「ネットワーク効果」というものだからです。

例えば、メタが運営するフェイスブック(FB)より優れたSNSが出てきても、乗り換える人はいないでしょう? すでにFBで「友達」とつながっているからです。デジタル革命は「先発優位」であり、GAFAに取って代わる企業が出てこないのは、そのためです。

米国のスタートアップ・セクターが日本より盛んなのは確かですが、日本にも、自動車業界をはじめ、イノベーティブ(革新的)な企業がたくさんあります。

日本が第2のGAFAを生み出すのは至難の業です。日本経済にとって最も生産的な戦略だとは思いません。グローバル市場には限りがあるからです。ベストな戦略は、グローバル経済の中で、日本ならではのニッチ(隙間市場、得意分野)を見つけ出すことです。

GAFAがないのは韓国にもヨーロッパにも言えること

日本にGAFAがないことは賃金停滞の一要因かもしれませんが、主要因、ましてや最大の要因だとは思いません。繰り返しますが、GAFAがあるのは米国だけだからです。中国には独自のテック大手がありますが、それは、国内市場が巨大で閉鎖的だという理由によるものです。

欧州にもGAFAはありませんが、欧州経済はGAFAなしでも大丈夫でしょう? 韓国では日本を上回る賃上げが見られますが、韓国にもGAFAはありません。日本は独自のGAFAを持たずとも、賃金と経済成長を押し上げる大きな可能性を秘めています。

日本が第2のシリコンバレーを目指し、うまくいかなかったからといって、ほかの分野でもだめだというわけではありません。米国モデルをまねるのはなく、独自の道で成功を目指すべきです。

もちろん、日本がデジタル革命のリーダーだったとしたら、生産性の大幅な上昇に伴い、賃金も上がっていたことでしょう。しかし、そのようなシナリオは描きにくいうえに、そうした道を目指すことが、日本にとって最も生産的な戦略だとも思いません。


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