どっちを向いても値上げ、値上げ、値上げ。電気代が高止まりの今夏は、エアコン代もかなりかさむことになりそうです。
支出が増えると、生活費を引き締めなければならなくなります。ですが、生活が苦しくしなる「節約」はきつくて続きません。そもそも、今回の値上げは食費から日用品、外食、レジャーにいたるまでほぼ全方位です。打てる手にも限りがあります。
そんな値上げラッシュの中でも、暮らしの満足度は維持したいですよね。年間貯蓄額が100万円以上の「貯めてる人」はどんな行動を取っているのか。貯まらない人との差は何か。カクワーズが実施した「お金」に関する調査結果から、ある2つの行動が貯蓄額に圧倒的な差を生むことがわかりました。
貯めてる人が「節約」以外にやってること
家計を見直す際、人はどこからまず着手するのか。2020年7月に全国900人を対象に実施した調査(※)では、「節約する」が全体のトップでした。まあ、そうなると思います。しかし、注目すべきは、貯蓄額100万円以上の「貯めてる人」は、節約のほかに、“ある4つの行動”をとっている人が多いということです。
貯めてる人の多くが節約のほかにとっている行動は、
- 「貯蓄額をチェックする」(29.7%)
- 「投資を取り入れる」(22.8%)
- 「家計簿をつける」(22.8%)
- 「天引きなど、確実に貯められる方法を探す」(18.6%)
の4つです。他の層より高いのはもちろん、回答者全体の平均と比べても高い割合です。貯めてる人が家計の見直しで行うこととして特徴的なものといえます。
投資以外は、「家計簿」「貯蓄額のチェック」「確実に貯める(先取り貯蓄)」など、意外とすぐできるものばかりです。しかし、簡単なことであっても、実践している人は実はそれほど多くないことも調査結果から明らかになりました。
貯蓄額が少ない人ほど家計簿をつけていない
「家計簿をつけている人」は全体の43.1%。男性は38.0%、女性は48.0%です。つまり、家計簿をつけている人より、つけていない人のほうが多いのです。
ちなみに、家計簿の付け方としては、男性は「アプリやPC」、女性は「手書きで」が高い割合で、男女差があります。
そして、貯蓄額が高い人ほど、家計簿をつけています。先程の年間貯蓄額別に家計簿をつけている割合を確認すると、次のような結果が出ました。
「年100万円以上」貯めている人は、家計簿をつけている割合が55.2%と過半数です。そして、貯蓄額が少なくなるほど、家計簿をつけている割合は減っています。
貯蓄額が少ない人ほど「確実な貯め方」を取り入れていない
次に、「確実に貯める方法」についても見ていきます。確実に貯める方法を、ここでは「先取り貯蓄」とします。先取り貯蓄とは「収入が入ったら使う前に先に貯蓄にまわす」という方法です。給与天引きや銀行の自動積立、別口座への自動送金などです。
この先取り貯蓄を実際に取り入れている人は、全体の32.9%でした。家計簿をつけている割合よりも低い結果です。男性では29.1%と3割を切っています。
そして、先取り貯蓄についても、貯めている人ほど高い傾向に。「年100万円以上」貯めている人では、先取りする割合がなんと60%と、他層を圧倒しています。貯蓄額が少なくなるほど先取りする割合は減り、「貯蓄なし」の層では14.6%。その差は明白です。
(1)家計簿をつけること、(2)確実に貯める方法(先取り貯蓄)を使うこと―は、すぐ実践できることではありますが、実際におこなっている人はご覧いただいた通り、多くありません。実践の有無によって、貯めている人の貯蓄額との差が生まれてくると言っても過言ではないでしょう。
やるか、やらないか。やったほうが貯蓄額がアップすることは確実です。
値上げを嘆く前に、まず家計簿アプリを取り入れて、支出の状況を把握する。「値上げだから出費が増えるのは仕方ない」とずるずる使ってしまわないように、5000円でも先取りする。これが、積み重なると大きな差になることを、調査結果は物語っています。
「家計簿」と「毎月の先取り」で貯蓄額は飛躍的に上がる
▼男性は家計簿をつけると貯蓄額が50%アップ?
では実際、家計簿をつけている人、つけていない人では、どのぐらい貯蓄額が変わるのか。男女で差があり、特に男性は家計簿をつけることで貯蓄額が約50%アップする可能性があるようです。