年100万円貯めてる人が節約や投資以外にやってること　資産額に差が出るたった2つの行動

下のグラフをご覧ください。

男性で「家計簿あり」（171人）と回答した人では、平均で年間85.1万円を貯めています。一方、「家計簿なし」（279人）では、同57.9万円。実に、30万円近い差です。割合で見れば、「家計簿あり」の平均貯蓄額は、「家計簿なし」の1.5倍近くもあります。

女性も「家計簿あり」の人のほうが、貯蓄額は高い傾向にあります。しかし、男性においてより顕著であることから、家計簿の効果は男性で高いといえそうです。

▼「毎月」貯めると年間貯蓄額が約30万円アップ？

次に、貯め方による貯蓄額の違いを見ていきましょう。確実に貯めているかどうかを、「毎月」先取り貯蓄できているかで判断し調査した結果、「毎月」貯めた人は、年間貯蓄額が非常に高いことが明らかになりました。

先取り貯蓄していても年に2回だけでは貯蓄の効果は低いので、過去１年に貯蓄が少しでもできた人を対象に、貯蓄を何ヶ月ぐらいできたかを質問。その月数で「毎月」（240人）、「6-11カ月」（104人）、「5カ月以下」（98人）、「決めていない」（91人）で分け、それぞれの年間貯蓄額を分析したのです。

「毎月」貯めた人で、貯蓄額「100万円以上」の割合は42.5％と高いことがわかりました。平均額も「年106万円」と100万円超えです。「毎月」貯めた人とそうでない人の差も歴然でした。貯めた月数が、「6-11カ月」の人は年貯蓄額の平均が73.2万円。「5カ月以下」は同36.9万円だったのです。確実にコツコツ貯めることが、貯蓄に大きな差を生んでいくことを、しっかり裏付ける結果です。

先取りして、残ったお金で暮らす。毎月コツコツ、それを守る。先取り貯蓄でなぜここまで差がつくのかは、今回のデータだけでは分かりませんが、少なくとも、あるお金でなんとかしようと思えば、削れる部分や見直せる部分がないか、自然と見直しに目が向くものではないでしょうか。値上げに対して知恵も働き、実際に「なんとかなる」部分も多いはず。結果的に、値上げに負けにくい家計になっていくのは間違いありません。

「貯蓄を毎月する」と、暮らしの満足度が高まる

これまでご説明したように、給料天引きや先取り貯蓄によって「毎月」貯蓄をすると貯蓄額が圧倒的に上昇することが分かりました。一方で「先取りをすると家計や精神面が苦しくなりそう」と思われる方もいらっしゃるでしょう。しかし、調査結果を見ると、毎月の貯蓄がもたらすのは「苦しさ」とは真逆の、「高い満足度」であることがわかったのです。

「毎月貯めている」人の暮らしの満足度は、「満足している」「非常に満足している」の合計が、53.3％と半数超え。一方、「6-11カ月」の人は、「非常に満足している」では、「毎月貯めている」人をやや上回りますが、「満足している」を合わせた合計は、44.2％と低くなっています。そして、「5カ月以下」、「決めていない」人の満足度はより低下する傾向に。

そして、貯めている月数が少なくなるほど、暮らしに対し「全く満足していない」「満足していない」と感じる割合が増加します。

毎月コツコツ貯めることは、暮らしそのものの満足度を高める。値上げラッシュの時代においても、不満の少ない生活を送るための大切なポイントになるといえるでしょう。

先取りをすると、たしかに最初は苦しく感じるかもしれません。しかし、やりくりに慣れてくればだんだんと予算内で暮らせるようになります。貯蓄が増えていけば、心のゆとりも増える。おそらくその満足度や安心感が、先取りの苦しさを上回っていくでしょう。そうなれば、「勝手に貯まる暮らし」の完成です。

「自動で先取りできる仕組み」をつくるのは難しくない

そうは言っても、なかなか先取り貯蓄の仕組みを作るのは面倒でもあります。でも、一度行えばあとは勝手に動いてくれる仕組みを作ってしまえば、ずっとラクに貯められます。やって損はありません。

確実にコツコツ先取りする方法は、「オート（自動）」がおすすめです。忙しくて忘れたり、苦しいからとスキップしたりしないよう、強制的かつ自動で貯蓄してくれる仕組みを採用しましょう。

会社の財形（財形貯蓄制度）などの天引き制度があればベストですが、すべての会社に揃っているわけではありません。取材では、貯めている人は次のような方法を活用していることがわかりました。