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東大卒NHKアナウンサーが53歳で転職してぶち当たった辛い現実…こんなに仕事ができないとは思わなかった

PRESIDENT Online

ただ、パソコンのスキルは身についたとしても、僕が担うべき仕事をこなす実力を身につけるには、さらに時間が必要でした。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Di_Studio
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Di_Studio

「もみじの家の年間事業計画」というものを立てる。それがハウスマネージャーの大切な役割の一つです。でも、自慢ではありませんが、今までそんなもの立てたことがありませんし、まともに読んだこともありません。

物事は計画通りにいくわけないのに、どうしてそんなものを作るんだろう。どちらかというと、僕はそう考えるタイプでした。あらかじめ決められた事にとらわれることなく、その都度ベストな仕事をすることに集中すればいいし、その方がいいパフォーマンスができる。そんな価値観で今までやってきたので、計画作成のノウハウなんて、これっぽっちも培われていないわけです。

でも、それが仕事ですから、やらなければなりません。


「もう少し、責任を自覚してください」と怒られる

初年度の事業計画は、僕が着任する前にすでに立てられていて、ベースとなる収支見込もできていました。ところが、いざオープンしても、前述の通り、予想以上に子どもが来なかった期間が長く、当初の予定より収入が大幅に下がることが確実となりました。そこで、僕に指令が下ります。

「収入を下方修正して、まとめてください」

突然そんなこと言われても、その修正の仕方がわかりません。そもそも、基本的な収支の出し方がわかっていませんから、困ってしまいました。

しかも、まだ組織内の知り合いも数えるほどしかいませんでしたから、そういったことはどこの誰に聞きにいけばいいのかすらわかりません。一つのセクションでお金に関わるすべてがわかるということでもなさそうで、障害福祉サービス費の件はこっち、補助金関係はあっちで聞いてと、その都度、成育の建物内を上に行ったり下に降りたり、右往左往しなければなりません。いい運動にはなりましたが、当時はどこにいけばどんな情報が得られるのか、もうさっぱりでした(正直言うと、今でも完璧にはわかっていません)。

人脈がないというのは、孤独なもんです。新人の悲哀を感じました。そんな状況で満足な情報が手に入るわけはなく、提出する資料は内容がスカスカ。当然ながら、怒られます。

【上司】「もう少し、ハウスマネージャーとしての責任を自覚してください」

【僕】(……ガーン!)


居眠りをして怒られた!

悪いことは重なるものです。

それは、ケアカンファレンスという会議での出来事でした。医師や看護師、ソーシャルワーカーなど、多職種が一堂に集まって、近々新たに利用を始める子どもたちの個々の病状やケアの注意点などを情報共有するのが、もみじの家のケアカンファレンスの目的です。

医療用語に関しても素人に毛が生えたようなレベルだった僕は、看護師たちが話している言葉がさっぱりわからないことが日常茶飯事でしたので、専門用語を学ぶ機会として参加していました。しかし、意気込みだけで太刀打ちできるほど甘い世界ではありません。

僕は自分のパソコンを持ち込んで、わからない言葉が出たら、その都度調べながら、会議に臨んでいましたが、聞いたことのない病名や難解な単語が次々と飛び出すだけでなく、ポンポンポンポンすさまじい速度で繰り出されるので、とても検索が追いつかず、戸惑うばかり。僕だけが意味を理解しない言葉が、右から左へただただ流れていきます。

すると、何が起きるかというと……次第に眠くなってくるんです。

もみじの家がオープンして1年位は、慣れない作業にてこずり夜遅くまで仕事をして、帰宅時間が23時を回ることもざらでした。睡眠時間も当然短かくなり、そんなヘトヘトなところにわからない言葉だらけの会議をされた日には、もう子守唄にしか聞こえません。


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