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アマゾンが7年ぶりの赤字に転落…なぜIT大手で「想定外の業績悪化」が次々と起きているのか

PRESIDENT Online

■ユーザーを増やし、広告収入を得るやり方はもう限界

その後、SNS業界に参入したTikTokなどがクリエイターの育成に注力し、より多くの収益機会を提供した。競争が激化し、メタやアップルの手数料は高いと批判が増えた。メタは、アップルのプラットフォームを経由しないサブスクサービスを提供し、手数料を引き下げてクリエイターが収益を獲得しやすくした。それによってフェイスブックの魅力を高め、ユーザーを獲得し、広告収入を増やそうとした。

しかし、その後の株価の推移を見る限り、メタの成長期待は低下している。他の企業が提供するプラットフォームを用いてサブスク・ビジネスを運営し、ユーザーを増やして広告収入を得るビジネスモデルが行き詰まっている。それがサンドバーグCOOの退任に与えたインパクトは大きいだろう。グーグルも“Google Play”にて開発者向けの手数料を引き下げた。

アップルとアマゾンに関しても音楽や動画などのサブスク系事業で競合するサービスは多い。また、アマゾンは人件費やエネルギー資源価格の高騰によって事業運営コストが増えるなどし、2022年1~3月期決算の最終損益は赤字に転落した。その責任をとってアマゾンでは物流網の拡大を主導した消費者部門のトップが辞任した。

■ネット業界は「巨大サービス」から「個々人」の時代に

サブスク系事業の成長が鈍化する一方で、ネット社会のインフラと呼ぶべきクラウド系のビジネスは成長力を維持している。1~3月期のアマゾンでは通販事業の苦戦とは対照的にクラウドサービスの収益が堅調に増加した。コロナ禍の発生によって世界経済のデジタル・トランスフォーメーションが加速し、テレワークやビッグデータの分析などのためにクラウドコンピューティングサービスの需要は増えている。

さらに、世界のネット業界は大手のIT企業がサービスを提供する“ウェブ2.0”の時代から、ブロックチェーン(分散型元帳技術)など新しいネットワーク・テクノロジーを活用して個々人がより能動的にネット空間で活動する“ウェブ3.0”の時代に移行し始めた。

デジタル空間において個々人がアバターとして活動するメタバース関連の取り組みも加速している。メタバース社会の本格到来を睨(にら)み、オンラインゲーム事業の強化に取り組む企業が世界的に増えている。いずれにも当てはまることは、クラウドコンピューティング技術の向上が欠かせない。

■クラウド事業の拡大を急ぐアップル

同じことは、アップルにも当てはまる。アップルはiPhoneなどのデバイスで収益を獲得しつつ、ユーザーにApp StoreやiTunes、iCloudなどのサービスを提供することによって高い成長を実現してきた。ただし、足許では世界的な半導体不足の深刻化によってiPhoneの生産に支障が出るなど収益の下押し圧力が強まっている。その状況下、アップルは中国のゼロコロナ政策などのリスクに対応するためにインドでiPhoneの生産体制を強化する。


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