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あなたがいま、あの人を「許せない」3つの心理的原因 相手の態度を変える“健全な”方法

伝え方や言い回しを変えると、自分を取り巻く環境が変わり、やってくるチャンスも変わっていきます。皆さんは自分のコミュニケーションに自信がありますか? この連載ではコミュニケーション研究家の藤田尚弓が、ビジネスシーンで役立つ「最強のコミュニケーション術」をご紹介していきます。

怒りや不安は健康に悪い…それでも許せないのはなぜ?

相手を許せないのは、決して「心が狭いから」といった単純な理由ではない(画像はイメージです/Getty Images)
相手を許せないのは、決して「心が狭いから」といった単純な理由ではない(画像はイメージです/Getty Images)

第41回のテーマは「相手を許すにはどうすればいいのか」がテーマです。職場の人、友人、家族など、親しくしている人がミスをしたとき、あるいは、その人たちに裏切られたときに、皆さんはどのように反応しているでしょうか。

怒ったり、残念に思ったりすることが起きると、相手と距離をおきたくなる人もいるかも知れません。しかし一時の感情で人間関係をダメにしてしまうのは残念です。そして何より、許せないでいるより許すほうが心や身体には良いこともわかっています。

不快感情と向き合い、相手を許すにはどうすればいいのか。「なぜ許すことができないのか」という理由からそのヒントを探ってみましょう。

もしかするとミスをした相手側から「許さないなんて心が狭い」「あなたにも落ち度はあるのに」「このくらいで怒るなんて」など、責められることもあるかも知れません。しかし、相手を許せないのは、決して「心が狭いから」といった単純な理由ではないのです。


許すのが難しい理由とその対処法

理由1.「ここで許したらもう償ってもらえない?」という不安

この「この約束の埋め合わせは?」「壊した〇〇はどうするの?」といった不安や、損をしたくないというあなたの気持ちが、許すのを難しくすることがあります。

許すことには、「被害の補償」について放棄するような意味合いも含まれているからです。被害について相手がどう償ってくれるのかを約束してもらっていない段階では、簡単な謝罪の言葉を伝えられても寛容になりにいくいものです。

→対処法:補償について相手にストレートに質問する

許したいけれど、気持ちがモヤモヤする。そんなとき、被害の補償について気になっているのであれば、ストレートに質問してみてください。

強欲だと思われるのが嫌で言い出せないという人もいるかも知れません。しかし、謝罪に対して受け容れない姿勢を見せているだけだと、相手は「謝っているのに」と許さないあなたを責めたくなってしまいます。

「こんなこと自分が言い出すのは……」といった躊躇や「相手から言い出すべきだ」という気持ちもあると思いますが、補償の問題をクリアするのは関係を回復するために必要なことだと考えてみてはどうでしょうか。「自分が我慢すれば済む」という考え方もありますが、片方が我慢している状態では、いい関係を長期間維持するのは難しくなります。


理由2.「自分との約束が軽んじられた」という怒り

許しやすいのは、相手がわざとやったのではないことが明らかなときです。特に「誰でも回避するのが難しかった」と思うような状況の場合は、許しやすくなります。

《例》

渋滞があっても間に合う時間に出発したが、大きな事故が2件あり、約束の時間に遅刻してしまった。

逆にわざとではないものの「うっかり何かを忘れた」などの、注意を怠っていたケースの場合には許しにくくなります。

《例》

発注のときには必ず確認をするというルールを忘れて、1箱だけ注文するべきところを10箱注文してしまった。

このような場合「仕事に真剣に取り組んでいない」「自分との約束を大事にされていない」といった怒りに繋がってしまうこともあります。私たちは、ミスをしたときにその出来事が避けられなかったように話してしまいがちです。こういった誠意のない対応があった場合には、許すのはさらに難しくなります。

無意識のうちに「軽んじられている」と感じてしまうのも、関係回復を難しくする要因です。

→対処法:「○○してほしかった」と伝える

しかし「普通××するだろう」と思っても、相手を責めることはNGです。もし相手を批判したくなったときには、批判するかわりに「自分はこうして欲しかった」と伝えてみてください。この言い方ならトラブルになりにくいですし、気持ちが少しスッキリすることで、許しやすくなる効果も期待できます。


理由3.「また裏切られるかもしれない」という不安

相手が補償も約束したし、責任があることも認めたのに、まだ許す気持ちになれない。その背景には「将来また同じことをされるのでは」という不安があるのかも知れません。

→対処法:再発防止プランを考えてもらう

「またガッカリさせられるかも」「信じても裏切られるかも知れない」といった気持ちがある場合には、再発防止のためプランを考えてもらうようにするのがいいでしょう。

《例》

打合せの予定をうっかり忘れてしまった


→再発防止プラン

今後は打合せ予定の前日に確認メールをしてもらうルールにする。メールがない場合にはリマインドをする

今後繰り返さないためにはどうすればいいのか。再発防止のための取組みを自分で考え、自分の言葉で約束してもらうことで「二度と傷つけたくない」「信頼を回復したい」といった気持ちを感じやすくなります。

→NGな対処法:「嫌な思いをさせて相手に変わってもらおう」

繰り返されることへの恐れはなくても、「すぐに許してしまうと、やったことを過小評価されてしまう」と思う人もいるかも知れません。「すぐに受け入れてしまうと今後の注意が疎かになる」といった正義感から、あえて厳しくしている人もいるでしょうか。

しかし、そのような「嫌な思いをさせることで相手に変わってもらおう」という方法は、あまりお勧めしません。一時的に効果はあっても、いい人間関係を継続するのが難しくなってしまう可能性があります。厳しく注意されるのを避けたい気持ちが、ミスを隠すといった行動に繋がることもあります。


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