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倍増掲げるも…子供政策、乏しい予算 試される首相の本気度

岸田文雄首相が「こども家庭庁」の創設で目指す子供政策の充実に当たって障壁となるのが財源の確保だ。首相は将来的な関連予算の倍増を打ち出しているものの達成期限は示せておらず、裏付けは乏しい。同庁設置を契機とした子供政策の抜本転換に向け、首相の本気度が試されることになる。

「(こども家庭庁で)子供政策に何が必要なのか、しっかりと体系的に取りまとめる。子供を支えるために社会全体で議論を行い、その積み上げによって予算倍増を目指していく」

首相は14日の参院内閣委員会でこう述べ、改めて子供関連予算の倍増を目指していく考えを強調した。

首相が子供関連予算の倍増を唱えた背景には、日本の子育て関連の公的支出が欧州諸国に比べて半分程度にとどまっているという事情がある。令和4年版「少子化社会対策白書」によると、日本の出産手当金や児童扶養手当などの子育て関連の公的支出は対GDP比1・73%で、スウェーデンの3・4%や英国の3・24%を大きく下回る。支出率が高い国は出生率も高い傾向にある。

このため、7日に閣議決定した今年の経済財政運営の指針「骨太の方針」には子供政策のための財源確保に向け、「有効性や優先順位を踏まえ、速やかに必要な支援策を講じていく」との表現を盛り込んだ。

ただ、出産一時金の増額など歳出拡大の検討項目が並ぶものの、実現のための財源については「企業を含め社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で、広く負担していく新たな枠組みについても検討する」とあいまいな表現にとどまった。

首相周辺は「総花的に落ち着いた印象は否めない」と認める。財源確保に当たっては増税や他の予算削減が想定されるが、痛みを伴う議論は先送りとなっている。

3年に生まれた子供の数(出生数)は約81万人で、過去最少となった。人口減少は国の活力低下に直結しかねない。ただ、こども家庭庁がその名に見合った働きをするためには、関連予算の充実を図るとともに、財源確保に向けた道筋を明確にすることが必要なのは明らかだ。

首相は内閣委で来年の「骨太の方針」に予算倍増への道筋を示すことを明言したが、これ以上少子化が進む前に財源確保の具体像を示すことが求められる。(竹之内秀介)


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