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ESG経営を支える ソーシャルビジネスベンチャーが新しい資本主義で脚光

デロイトトーマツベンチャーサポート(DTVS)です。当社はベンチャー企業の支援を中心に事業を展開しており、木曜日の朝7時から「MorningPitch(モーニングピッチ)」というイベントを東京・大手町で開催しています。毎週5社のベンチャーが大企業の新規事業担当者や投資家らを前にプレゼンテーションを行うことで、イノベーションの創出につなげることを狙いとしています。

モーニングピッチでは毎回テーマを設定しており、それに沿ったベンチャーが登場します。ピッチで取り上げたテーマと登壇ベンチャーを紹介し、日本のイノベーションに資する情報を発信する本連載。今回はソーシャルビジネスです。

ビジネスを通じた社会課題の解決を目的に7原則で構成

ソーシャルビジネスは、2006年にノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が社会課題を解決するビジネスとして設定したもので、ユヌス・ジャパンによると(1)社会問題の解決が目的(2)経済的な持続可能性を実現(3)ジェンダーと環境へ配慮―など、7原則によって構成されています。

日本では社会性、事業性、革新性という3つを備えたものを対象としており、政府や行政の対応領域から外れ、利潤の確保ができないと考えられていた領域に対応するビジネスと定義しています。日本でのソーシャルビジネスの立ち上がりは1995年1月に発生した阪神・淡路大震災でのボランティア活動の活発化が起点であり、歴史的にはまだ始まったばかりと言えるでしょう。

岸田首相が掲げる経済政策「新しい資本主義」でも、社会課題の解決と経済成長を目指す官民連携の新しい制度の必要性について指摘されており、話題を集めています。

ESG資産は運用資産総額の3分の1超へ

ソーシャルビジネスを取り巻く投資環境として、ESG投資に触れたいと思います。ESG投資は、企業の非財務情報である環境・社会・企業統治という3つの要素によって投資先の選定や評価を行うもので、投資分野のメインストリームとなりつつあります。ブルームバーグ・インテリジェンスによると、ESG資産は2025年には6500兆円を超えるとされ、運用資産総額の3分の1を上回る見通しです。

世界持続的投資連合(GSIA)によると2020年時点の世界全体のESG投資残高は約35兆ドルで、4年前から54%増えました。このうち日本は2020年時点で約2.8兆ドルと全世界の8%を占めており、2016年から4倍に増えています。欧州では特定セクターをポートフォリオから除外するネガティブスクリーニングが主流であり、米国では投資先の企業評価にESGの要素を加えるESGインテグレーション(統合)のウエイトが高いのに対して、日本ではエンゲージメント(対話)の比重が高くなっています。

国際的には地球温暖化問題などの影響を踏まえ、企業業績だけではなく社会貢献度を重視する投資に目が向いていますが、日本の場合、ESG評価の改善度に関する水準は低いままです。このため認知度向上への取り組みや評価基準の設定などが中央省庁でも進められています。


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