--2月の社長交代会見で「第二の創業」を任されたと話していたが、その真意は
「石油で生きてきた会社だが、脱炭素の波が来ている。成長分野への投資、基盤事業の効率化をしないといけない。会社がパラダイムシフト(劇的な変化)で大きく変わる時期に、もう一歩踏み出そうとしているので『第二の創業』と表現した」
--再生可能エネルギー、水素など成長が見込まれる新たな分野への取り組み状況は
「短期と中期の事業ポートフォリオ作成と入れ替えを行っている。2040(令和22)年の長期ビジョンも発表した。再生可能エネルギーでは、短期は陸上風力、太陽光、長期は洋上風力。時間軸と投資金額を来年度からの『第3次中期経営計画』で策定する」
--電気自動車(EV)の普及が進む中、全国約1万2000カ所ある給油所はどう変わる
「今までは、ガソリンが必要だから(給油所へ)来ていたが、電気や水素になるかもしれない。またEVの充電に20~30分かかる場合、(買い物や食事など)生活に必要な時間を費やす場所にもなる」
--製油所の再編などへの考えは
「石油需要がどれだけのスピードで落ちていくのかが重要。石油は一番便利なエネルギーで安定供給を重視する。また、製油所には地元の方が多く勤めており、地域経済への影響も大きい。(再編にあたっては)慎重に検討を行う」(永田岳彦)
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さいとう・たけし 早大政経卒。昭和61年日本石油(現ENEOS)入社。ENEOS常務執行役員、ENEOSホールディングス副社長などを経て、令和4年4月から現職。熊本県出身。