パナソニックホールディングスは17日、令和3年度に実施した独自調査で、日本国内の20代若年層における「パナソニック」の認知度が53%だったことを明らかにした。米国でも47%にとどまっており、同社のブランド戦略担当執行役員の森井理博(よしひろ)氏は「認知度の低さは将来の売り上げに影響する。少なくとも80%までは引き上げたい」とした。
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大阪府門真市で開いたブランド・コミュニケーション戦略の説明会で森井氏が明かした。調査は20~60代を対象に実施。全世代でのパナソニックの認知度は日本で81%、米国で68%だったが、いずれも20代の認知度が低かった。中国は若年層と全世代ともに70%台だった。
森井氏は若年層が10年後に主要購買層となったときのリスクを指摘し、「家電はもちろん、企業間の取引でも認知されていなければ選ばれない恐れがある」と危機感を示した。ブランド戦略におけるデジタル化の遅れや、ESG(環境・社会・企業統治)の取り組みの発信が十分でないことが背景にあるとみている。
そこで同社はデータや理論に基づくブランド戦略の立案を進めるほか、「幸せの、チカラに。」というスローガンの浸透や、二酸化炭素削減の取り組みを通じて若年層に「好意」を抱いてもらうことで、認知度の向上を目指す。
また、これまで約9割が日本向けに使われていたグループ全体の広告宣伝費について、米国の予算を倍増させるなど、国内偏重を是正するという。