風力発電設置による山林開発行為への懸念や風車の騒音による健康被害などを訴える北海道の5団体などが15日、「北海道風力発電問題ネットワーク」(佐々木邦夫代表)を設立した。道内で風力発電事業が急拡大している現状に「国や議会、自治体に働きかけて法律や条例による規制強化を求めていきたい」などとしている。
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ネットワークに参画したのは、風力発電の真実を知る会、▽小樽余市の巨大風力発電から自然と生活を守る会▽風力発電を考える当別町民の会▽常呂風発について考える会▽石狩湾岸の風力発電を考える石狩市民の会の道内5団体と個人。
佐々木さんは、風車が設置された地域では羽(ブレード)の回転で低周波音などが発生し、近隣住民に睡眠障害などの健康被害が出ているケースがあると指摘。さらに山林の開発行為で景観を損ねたり、希少動物を含む野生動物の生態系などにも影響が出たりする懸念があるといい、「今も大規模な風力発電事業の開発計画が進行している。豊かな自然を魅力とする北海道の観光産業にも影響が出かねないため、条例や法律で規制する仕組みが必要」と訴えている。
同ネットワークの調べでは、陸上で稼働している道内の風力発電は6月1日時点で324基。さらに1686基が新設予定で、合計2000基を超える風車が稼働する見通しという。
佐々木さんは「この問題を訴えるのは北海道に暮らしている私たちの責務。自然保護団体などとの連携も進めながら情報発信と課題の共有、風力発電問題の本質を追求していきたい」としている。