農林水産省は21日、ロシアによるウクライナ侵攻などを受け、国内の食料の安定供給に関するリスクを分析した検証結果を公表した。大半を輸入に頼る飼料や肥料、穀物の価格高騰が、安定供給を維持する上で影響度の大きい「重要なリスク」と分析した。検証結果は、今後の食料安全保障の強化に向けた施策に反映させる。
/cloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com/sankei/TBEW767ZYRNSPBCKVHEL2ZGKXQ.jpg)
検証結果では、世界的な食料需要の高まりや国際情勢の不安定化を受け、トウモロコシなどの飼料用穀物の価格高騰のリスクが顕在化していると分析。飼料や肥料は「生産に必須」との観点から、価格高騰が幅広い生産者に大きな影響を及ぼすとした。
また、小麦や大豆、菜種については、米国やカナダなど特定国からの過度な輸入に依存していることをリスクと指摘。安定供給のためには「輸入品目の国産への置き換えを着実に進め、主要輸入先国との関係を維持していくことも必要不可欠」と対応を求めた。
農水省は2月に食料安保に関する省内検討チームを設置。コメや野菜、肉類など食料を中心に32品目について、労働力不足や価格高騰、異常気象など国内外で想定される計25種の安定供給上のリスクを分析した。