MS&ADインシュアランスグループホールディングスの原典之社長(66)は21日までに産経新聞のインタビューに応じ、令和7年度までに、国内損保事業で稼ぐ利益の5割を自動車保険以外の事業で上げる目標を掲げたことを明らかにした。特に、サイバー保険などの「新種保険」の販売を強化し、新たな収益源として育てグループの成長につなげる。
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新種保険は3年度の455億円から、7年度に710億円を目指す。原氏は「中小企業のマーケットや、サイバー保険はまだまだ伸びる」と指摘。「テクノロジーが進歩する中で、新しいリスクは出てくる」と述べ、時代に応じた保険の展開を掲げた。
一方、自動車保険では、データを用いたビジネスを展開する。走行時の急ブレーキや速度などの情報を取得し、危険運転を行っていない場合は保険料を割り引くタイプの保険を拡大させるほか、データそのものを米国で販売する事業も開始している。データ分析を担当するデータサイエンティストも現在の70人から100人増員するという。原氏は「データ活用のための体制強化もしていきたい」と述べた。
業務効率化にも力点を置く。傘下の損保2社間で、事務部門やシステムなどを共通化し、効率化と経費削減を図る。元年度比で7年度までに1000億円の削減が目標という。原氏は「差異として残すところは明確にし、それ以外の部分はできるだけ一体化する」と意気込む。