こんにちは、桶井道(おけいどん)です。連載 16回目、今回は、「優待株投資をしてはいけないワケ」について書きます。
優待株投資に関する情報をよく目にします。100株買うだけで、優待品が貰えるお得な制度、という認識が広がっていますね。お米、名産品、クオカード、お食事券、乗車券、割引券、カタログギフト…貰えると嬉しいですね。分かります。分かりますよ。
しかしながら、私は優待株投資をしてはいけないと思っています。直観的には得しているようで、実は損するケースが少なからずあるからです。
そもそも論として、投資の本質は、資産形成することにあります。決して、株主優待品を第一「お目当て」に置くべきではないのです。投資法としては、高配当株投資、増配株投資、成長株投資など切り口はありますが、そこに優待株投資を入れてはいけません。優待品 からスクリーニングして、それだけで投資を決めることがあってはならないのです。
銘柄 分析もせずに優待品で飛びついた結果、株価がどんどん下落したり、配当が減ったりすると、結果的に損します。3000円のお米をもらって喜び、株価が下落して3万円の含み損を抱えたのでは、本末転倒です。こういうことは、まさに「木を見て森を見ず」といえます。
もし、それでも「優待品がどうしても欲しい」という方は、先に銘柄分析をして、その結果で株主優待品が付いてくる、そういう銘柄を選んでください。もしくは、優待品でスクリーニングしてから、必ず銘柄分析をしてください。株主優待はオマケでついてくる、そういう選び方をしましょう。
では 、何が優良銘柄か? それは増収増益(売上高も営業利益も成長すること)の企業を選ぶことが基本中の基本です。本業でしっかり儲けを出している、株価が上がっている、もしくは配当金がしっかり出ている、そして株主優待がある。優待株を選ぶなら、これが理想ですね。
ただし、優待株特有のリスクとして把握しておくべきことがあります。それは、優待改悪・廃止です。株主優待が改悪・廃止になり、株価が下落するというケースがあります。
また、2022年4月に東京証券取引所がプライム市場、スタンダード市場、グロース市場に再編されたことが優待廃止のきっかけになる可能性があります 。 これまで、東証1部上場の維持には株主2000人以上が義務でしたが、東証1部に相当するプライム市場 では800人になりました。株主数 の維持が課題となる企業では、「小口」の投資家を集めるために株主優待に依存していた側面があります。それが必要なくなるわけですね。
このような理由から、私は、優待株投資には否定的です。どうか、「木を見て森を見ず」、優待品だけを見て飛びつき、株価が下落して、含み損に陥る、そういうことにはならないで下さい。「優良銘柄」+「株主優待」、選ぶなら、こうあるべきです。
※このコラムでは、投資についてご紹介しましたが、あらゆる意思決定、最終判断はご自身の責任において行われますようお願い致します。ご自身の資産運用等において、損害が発生した場合、筆者と編集部は一切責任を負いません。ご了承ください。