デジタルサイネージ(電子看板)を手掛けるニューステクノロジー(東京)と、タクシー配車アプリを展開するソニーグループ系のエスライド(東京)は、プロ野球観戦とタクシー移動をセットにしたサービスを期間限定で展開する。東京ドームで行われる巨人の試合の観客を自宅などから専用タクシーで送り、車内では選手のメッセージが聞けるオリジナル映像を放映して応援ムードを盛り上げる。G党をターゲットに、単なる移動手段を超えたタクシーの新たな価値を提供したい考えだ。
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専用タクシーは、巨人仕様のラッピングが施された限定10台の「ジャイアンツタクシー」。大和自動車交通(東京)が保有する車両を使い、8月19日~9月10日に東京都23区限定で走行する。
サービスは同期間に行われる阪神戦、中日戦、DeNA戦が対象で各日10組限定。1塁側の内野指定席Aエリアで観戦できる。予約は読売旅行(東京)のサイトの専用フォームで受け付け、申し込み多数の場合は抽選を行う。
移動は片道のみで、自宅や勤務先など指定した場所までタクシーが迎え、乗車時にはオリジナルうちわなどをプレゼント。冷えたドリンクやおしぼりなども用意され、車内では巨人選手のメッセージが聞けるオリジナル映像が楽しめる。
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料金はサービスを提供する23区のエリア内なら距離による変動はなく、乗客の人数によって異なり、1人だけなら1万780円、2人1組では1人8290円、3人1組では1人7460円だ。乗車地点が東京ドームから遠く、グループで利用すればお得となる。1予約当たりチケット送料600円が別途発生する。
新型コロナウイルス感染拡大は、乗客とドライバーが密な空間を共有するタクシーに打撃を与えた。利用はコロナ禍前の水準に回復しつつあるが、タクシー会社の経営は依然厳しい。
エスライドの西浦賢治社長は「単なる移動ではなく、移動そのものを目的化した体験を提供することでタクシー乗車需要を創出することが求められている」と指摘。
ニューステクノロジーの三浦純揮社長はジャイアンツタクシーについて、「タクシーを起点とした移動体験を体現した企画だ」と胸を張る。
同様のサービスを他のスポーツや音楽、演劇などの観客向けにも提供すれば、タクシーの活躍の場を広げるきっかけにもなりそうだ。