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なぜ日本だけがコロナ鎖国を続けているのか…それは「世界一の老人大国」で変化を嫌うからだ

PRESIDENT Online

なぜ日本は「コロナ禍」を終えられずにいるのか。精神科医の和田秀樹さんは「日本の高齢化率は断トツで世界一。そして人は高齢になると前頭葉が委縮し、変化を好まなくなる。つまり日本人の多数が前例踏襲思考に陥っているのだろう」という――。

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Sayuri Inoue
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/Sayuri Inoue

※本稿は、和田秀樹『マスクを外す日のために 今から始める、ウィズコロナの健やかな生き方』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。

■日本のコロナ対策はなぜ変わらないのか

欧米では、前回の記事で紹介したような「マスク禍」を議論の俎上にのせたうえで、「マスク着用義務解除」の方向に政策の舵を切ったわけです。

日本の報道を見ていると、欧米では「マスクをかけない自由」を求める“頑迷な”権利意識から、マスクをしない人が多いようにも思えますが、現実には、マスクの得失を十分に考慮した判断から、脱マスクの方向に方針変更したという側面が注目に値するのです。

一方、わが国といえば――一向に舵は切られません。

ワクチン接種率では、すでに欧米を上回っていますが、「そろそろ、マスクを外そう」という議論はあまり耳にしません。テレビを観ていても、マスクのデメリットが語られるシーンをほとんど目にすることはないのです。

なぜ、事態が変化していても、日本は変わることができないのでしょうか?

それは、残念ながら、この国が老いたからでしょう。高齢化が国民全体の脳を萎縮させ、政府も国民も「変化を好まなくなった」というのが、私の見立てです。

■「超高齢化」日本人の平均年齢は47.7歳

「老大国」という言葉がありますが、わが国が本当に「大国」かどうか、いや「大国だった」かどうかは、議論が分かれるところにしても、日本という国が今や「老国」化していることは間違いありません。

日本の高齢化率(総人口に対する65歳以上の人口の比率)は、2021年現在、世界で断然トップの29.1%。2位のイタリア(23.6%)、3位のポルトガル(23.1%)を大きく引き離しています。わが国は、一国だけ異次元の高齢化状態に達しているといってもいいでしょう。

そして、国民全体の平均年齢は47.7歳(2022年の推計値)。むろん、これも世界一の数字です。国民全体のちょうど真ん中になる中位数年齢は48.7歳ですから、国民のほぼ半数が50歳を超えようとしています。このような国は、古今東西、世界に例がありません。

私は、この超高齢化が日本人が「変われない」ことの主因だと見ています。

人の脳、とりわけ「前頭葉」は、40歳を超えると、目に見える形で縮みはじめます。

私は、30年間以上、高齢者医療に携わるなか、CTスキャンやMRI画像による脳の断層映像を5000枚以上は見てきました。その経験からいうと、加齢によって、前頭葉は目に見えて縮んでいくのです。

医学の教科書の解説図のように、頭蓋骨内に脳がぎっしり詰まった状態を保てるのは、よくて30代までです。

40代からは、脳が萎縮しはじめ、頭蓋骨と脳の間に黒く写る隙間ができはじめます。なかでも、前頭葉の萎縮が進行します。

前頭葉は、大脳皮質の前方部にあって、大脳のなかでも、創造性や意志・意欲、変化への対応など、高次(こうじ)の精神機能を司っている部分です。その前頭葉が萎縮し、劣化すると、創造性や意欲が低下し、変化を好まなくなります。


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