「村八分にならないの?」
著者が新型コロナウイルスに罹患したことを中国在住の中国人の知人に伝えると、即このような反応で心配された。
日本でも流行当初、2020年の春先だと新型コロナに感染するとワイドショーに煽られた恐怖心から「マンションに住めなくなる」とか、「会社にいられなくなる」なんて話がネット上で出回っていた。中国では2年以上経った今でもそんな現状のようだ。
話は4月上旬に遡り、朝起きると寒気が。熱は37.4度、微妙な熱だ。とりあえず、初期で抑え込むため、ホッカイロをペタペタ貼り、葛根湯を飲んで寝ていた。昼過ぎには、多少元気になったので仕事をしたが、倦怠感があるので、外出は控えた。
翌朝、38度になった。思い当たるのは、4日前、ある食事会に参加したことだ。このまま3日くらい寝続ければ治るとも思ったが、思い当たる食事会の参加者が基礎疾患を持つ高齢者ばかりだったので、検査して、もし新型コロナだったら急いで伝えたほうが良いと考え直し、発熱外来へ。
予約して指定時間へ行くと、クリニック外の裏口から案内された。症状を伝え、抗原検査とPCR検査を実施。
抗原検査の結果は10分ほどで出て陰性。PCR検査は2日後の昼頃に電話で伝えるとのことだった。
処方してもらった薬は、解熱剤、抗生物質、喉の炎症を抑える薬の3種類。通常の風邪の薬だ。費用は、通常の風邪よりは少し高い3000円ほど。薬代は500円ほどだった。
予想外にも陽性だった
早速処方してもらった薬を飲んだら30分ほどで症状は改善し、熱も下がった。効果はてきめん。
少し調べると、抗原検査とPCR検査の陰性一致率はそこそこ高そうなので、PCR検査も陰性かなと思いながらも、念のため外出は控えることに。
2日後、結果は予想外にも陽性だった。オミクロン株でBA.2だろうとのこと(BA.2かどうかまでは保健所へ連絡してもわからないとのことだったので、担当者の推測)。
一瞬ではあったが、冒頭の村八分のような状況をイメージしたが、最近、感染した人の話を聞いたら、近所には全くばれないとのことで安心した。
もちろん、実際にばれない。ここで初めてCOCOAが反応したが、COCOAへの入力も要請ベースのようで、感染した知人たちは個人特定されることを恐れて入力しない(またはCOCOA自体をインストールしていない)人が多かった。
しかし、COCOAに指定番号を入れたが、個人特定されるものではなかった。仕様を改めて調べると、GPSではなくブルートゥース通信で位置を捕捉するものらしい。
さらには、保健所の対応も弱毒化したオミクロン株を感じさせるものだった。
まず最初に、厚生労働省からテンプレートのSMSが1通。続いて居住区の保健所から1通のSMSが届いた。保健所のSMSへ年代と基礎疾患の有無を返信したら、そこからはノーフォロー。結局、電話での連絡は1回もなかった。
症状発症者は、発症翌日から数えて10日間の自宅療養とのことだったが、ここは中国ではないので監視はないし、報告もない。すべて自主管理となる。