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続く円安とエネ需給逼迫 求められる経済政策論争 参院選

参院選が22日公示され、経済分野では物価高に拍車をかける急速な円安の進行と、電力需給の逼迫(ひっぱく)を受けたエネルギー問題が主要な争点になっている。どちらも国民の暮らしや企業の事業活動を直撃しており、選挙戦を通じて与野党で打開策につながる論戦が交わされることが期待される。

一時1ドル=136円台後半を付けた円相場を示すモニター=22日午前、東京・東新橋
一時1ドル=136円台後半を付けた円相場を示すモニター=22日午前、東京・東新橋

動かぬ日銀に不満

22日の外国為替市場では円相場が一段と下落し、朝方には一時1ドル=136円台後半と約23年8カ月ぶりの安値水準を更新した。

日米の金融政策は、低金利政策を続ける日本銀行と利上げを急ぐ米連邦準備制度理事会(FRB)とで方向性の違いが鮮明だ。投資家は金利差の拡大を期待して円を売り、より高い利回りを見込めるドルを買う。

急速な円安は輸入コストの上昇を通じて物価高を助長しているが、日銀は景気悪化を懸念して米欧のような利上げに踏み切れない。野党は政府と日銀が円安を放置していると攻勢を強めており、金融政策が選挙の争点となる異例の展開だ。

債券市場では日銀の政策修正を先読みした投資家が日本国債売りを仕掛け、円相場も早晩140円台に入る可能性がある。円安が物価高を一層加速すれば政府・日銀への圧力も強まる。

野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、日銀が0・25%程度まで容認している長期金利の変動幅を拡大させ、金利差拡大を和らげる修正策を提案する。選挙後には来年4月に任期を迎える黒田東彦(はるひこ)総裁の後任人事が本格化し、金融政策の行方がさらに注目を浴びそうだ。

綱渡りの電力確保

発電会社JERA(ジェラ)は22日、7~8月に運転再開予定の姉崎火力発電所(千葉県市原市)5号機を報道陣に公開した。同発電所の亀井宏映所長は「今夏はトラブルがあれば即停電になりかねない。緊張感をもって、やれることをしっかりやりたい」と話す。

地震やトラブルで火力発電所の停止が相次ぎ、今年の夏と冬は電力の需給逼迫が懸念される。安定供給には需要に対する供給余力を示す「供給予備率」が最低3%必要とされるが、7月の東北・東京・中部の3電力管内の予備率は3・1%とぎりぎりになりそうだ。

姉崎5号機の運転再開などで3電力管内の予備率は1ポイント以上改善する。ただ、5号機は運転開始から45年超が経った老朽火力で、急な出力低下や運転停止などトラブルも起きやすい。需給バランスが崩れれば大規模な停電が起きる恐れもあり、綱渡りの対応を迫られる。

日本のエネルギー需給がこれほど脆弱(ぜいじゃく)なのは、東日本大震災後の原発停止の長期化が背景にある。火力燃料の輸入増加は国富を海外に流出させ、円安の一因にもなる。ウクライナ侵攻に対する制裁でエネルギー大国ロシアからの原油や天然ガスの供給が細る中、暮らしや経済活動を支える骨太な議論が求められている。(米沢文、永田岳彦)


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