――日米首脳会談を受けて、岸田文雄首相は防衛費の増額を表明したが、今後のビジネスへの影響は
「プラスか、マイナスかといえば、ポジティブなインパクトがある。ただ、具体的に何も決まっていないので、今後の影響については何もいえない」
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――原材料や輸送費が高騰している
「令和3年度よりも悪化を想定している。3年度は2年度比で材料費や物流費の高騰、半導体不足などの影響で500億円の減益要因となった。それに対して、値上げで100億円をカバーし、全体で400億円のマイナスだった。4年度は2年度比で600億円の減益を見込んでいる。値上げで300億円ぐらい吸収し、マイナスを抑えたい」
――国内の原発再稼働が見通せない。原発事業は海外に活路を見いだすのか
「国内で展開できないから、海外に行くという考えは持っていない。リスクが高いため、海外で『EPC(設計・調達・建設)』を行っていないが、部品を供給している。海外は機器の供給が伸びるポテンシャルがあると思う。あとは米国の次世代高速炉の開発に参画するが、技術供与で海外のプロジェクトに関与する可能性もある」
――ウクライナ侵攻後の脱炭素事業への影響は
「2月以前から受注や引き合いが増えており、特に欧州で二酸化炭素(CO2)分離・回収装置プラントの案件が多い。ロシアのウクライナ侵攻以降、減っているということはない」(黄金崎元)
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こざわ・ひさと 東大法卒。昭和61年三菱重工業入社。令和元年グローバル財務部長、同年執行役員を兼務。2年最高財務責任者(CFO)に就任し、同年代表取締役も兼ねる。3年から現職。神奈川出身。