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尼崎全市民情報紛失、際立つ管理の甘さ

23日に明らかになった兵庫県尼崎市のUSBメモリー紛失問題は、約46万人もの市民の個人情報が漏洩(ろうえい)の危機にさらされるという前代未聞の事態を引き起こした。原因は市の委託先業者側によるお粗末な行動。ただ、メモリー運搬方法の確認不足など市側の責任も見過ごせない。紛失を発表した記者会見の場で、メモリーのパスワードの桁数を明らかにしてしまうなど危機管理の甘さも露呈、市民からは「信じられない」と怒りや不安の声が聞かれた。

兵庫県尼崎市役所=23日午後
兵庫県尼崎市役所=23日午後

「市民の皆さまにご心配をおかけしたことを心よりおわびする」。尼崎市の稲村和美市長は23日の定例記者会見でこう謝罪した。

市などによると、委託先の「BIPROGY」関西支社の協力会社の40代男性社員は21日朝、市役所近くの市政情報センターで、市民の個人情報をメモリーにコピー。市が、新型コロナウイルス対策に関する問い合わせなどを受け付けているコールセンター(大阪府吹田市)まで移動し、情報の更新作業を行った。

ネットワークセキュリティーの専門家によると、重要情報が入ったパソコンやメモリーを持ち運ぶのはリスクがあるため、企業などでは、社内サーバーやクラウドに保存したデータに各社員がアクセスする方法が主流となっている。

しかし、コールセンターには尼崎市のネットワークが通っておらず、情報を更新するには物理的にデータを運搬する必要があった。前回更新時には、重要情報の運搬を取り扱う運送会社のセキュリティーサービスを利用したが、市は今回、個人情報をコールセンターで使用する許可を出しながら、運搬方法は業者側任せにし、この日メモリーで運ぶことを把握していなかったという。

メモリーにはパスワードがかけられているとされるが、23日の紛失の発表会見では、市の担当者がパスワードの桁数などを明らかにしてしまう一幕もあった。

2歳と0歳の子供を持つ尼崎市在住の女性(29)は「子供や収入に関する情報が漏れたのではないかと思うと不安が募る」と吐露。「業者側の行動にもあきれるが、そんなところに任せきりにしている市も問題だ」と話していた。

市は不安を持つ市民向けに相談専用ダイヤル050・3133・1403を設置した。


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