核禁条約 保有国加盟なら「10年以内に全廃」採択

    【ニューヨーク=平田雄介】核兵器禁止条約(核禁条約)第1回締約国会議は23日、ウィーンで3日目の会合を開いた。核兵器を保有する国が新たに核禁条約に加盟する際、その国に10年以内に核兵器を全廃するよう求める成果文書などを採択し、閉幕した。

    核兵器禁止条約第1回締約国会議に出席した各国の関係者ら=21日、ウィーン(共同)
    核兵器禁止条約第1回締約国会議に出席した各国の関係者ら=21日、ウィーン(共同)

    ウクライナに侵攻したロシアが核使用に言及して国際社会を恫喝(どうかつ)するなど核の脅威が高まる中、核保有国が条約に加盟する見通しは立っていないものの、将来的に加盟を希望する国が出たときに備え、核廃絶への道筋を確実にすることを目指したものだ。

    核の全廃期限については、事情によっては例外的に最大5年間の延長を認める一方、期限延長の申請に際しては詳細な理由の説明を求めるとしている。

    核禁条約は核兵器の開発や保有、配備などを全面的に禁じている。締約国に求める全廃の期限については第4条で「第1回締約国会議が決定する」と定めている。昨年1月に発効、批准済みの65カ国・地域は核兵器を保有していない。

    また、他国が所有する核兵器を国内に配備している国が核禁条約に加盟を希望する場合の撤去期限は「90日」とした。米国の核を配備している北大西洋条約機構(NATO)加盟国のドイツやオランダ、ベルギーのような国が加盟を希望する場合に適用される。

    最終日は、「核なき世界への明確な決意」と題した政治宣言や、締約国の活動方針を記す「ウィーン行動計画」も採択した。

    行動計画には、核禁条約の批准国を増やすために各締約国が担当者を指名し、191カ国・地域が批准する核拡散防止条約(NPT)との協力分野を探る担当者を任命することなど50項目が盛り込まれた。

    政治宣言は、核の恫喝を繰り返すロシアを名指しで非難しなかった。キューバやベネズエラなどが反対したとされる。核禁条約は「核兵器を使用する威嚇」を禁じている。


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