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コロナ禍、こだわり野菜ジュースに商機 角井食品 高圧加工で水不使用

新型コロナウイルス禍で高まった消費者の健康意識をとらえた野菜ジュースが登場した。京都で50年続く弁当製造の角井(かくい)食品(宇治市)が高圧加工でつくる野菜ジュースの販売を始めた。国内では珍しい製法で、濃縮果汁や水を使わず、栄養価も高い。国産原料100%にもこだわった。コロナ禍で弁当販売が落ち込む中で開発した野菜ジュースを新たな収益源に育てる。

グランドフードホール芦屋(兵庫県芦屋市)で販売が始まった「ミオサイ」(角井食品提供)
グランドフードホール芦屋(兵庫県芦屋市)で販売が始まった「ミオサイ」(角井食品提供)
「ミオサイ」を手にもつ角井食品の角井美穂社長(同社提供)
「ミオサイ」を手にもつ角井食品の角井美穂社長(同社提供)
スペイン・ハイパーバリック製高圧機械(角井食品提供)
スペイン・ハイパーバリック製高圧機械(角井食品提供)

4月発売の野菜ジュースの商品名は「miosai(ミオサイ)」(200ミリリットル入りで756円)。「私の野菜」という意味の造語で、2代目の角井美穂代表取締役は「農家の私、つくる私、飲む私の3者が元気になることを目指して名付けた」と説く。

1年以上かけて全国の農家を訪問し、自然の力を生かす栽培方法で野菜を育てている小規模農家と巡り合えた。にんじんは原谷農園(北海道北見市)から買っている。土の中の微生物を生かして育てるため抗酸化成分が多いからだ。さらに同農園では、同じ栽培方法でケールを育てる愛知県の仲間を紹介してもらった。

トマトやパプリカ、ビーツなども次々に購入先が決まった。出回らない規格外野菜も引き取るので農家にとっては増収にもつながる。食品ロスも防げる。

製法にもこだわった。原料の味や香り、高い栄養価を生かすためだ。海外ではごく普通に取り入れられている高圧加工という製法を採用。水深5万~6万メートルの深海に沈めるのと同程度の圧力をかけることで、栄養素をあまり壊さずに日持ちを伸ばせるという。

国内に十数台しかない機械をスペインから取り寄せた。これにより日本で一般的な高温で加熱殺菌された濃縮還元ジュースではなく、野菜本来の味を100%楽しめるジュースづくりを可能にした。

これが受け入れられ、健康志向の女性を中心にリピーターを確保。自社ホームページや電話での販売に加え、6月からデリカテッセン「グランドフードホール」や高級スーパーなどで販売を始めた。百貨店や調剤薬局とも交渉しており、「オーガニックや健康を意識した店舗、ホテル、病院などにも話を持ちかけたい」と拡販に意欲を示す。

昭和46年創業の同社は弁当製造を主力としコンビニやスーパーに販売してきた。しかしコロナ禍で令和2年には弁当売り上げが半減するなど苦戦。新たな事業の柱を探す中、創業から50年かけて培った食品製造技術や経営資源を生かせる事業として未経験だった飲料への挑戦を決めた。

飲料事業は発売3カ月で月100万円規模の売り上げに届いた。角井氏は「遠い道のりかもしれないが、1000万円まであきらめずに頑張る」と力を込める。(松岡健夫)


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