このような「文化の盗用」が事件として頻出するのである。現在のソーシャルメディアでは、以前であれば見逃されたようなちょっとしたことでも炎上する。
虎視眈々と狙われている一つが大手のファッション企業である。製品の性格上、他地域の文化モチーフを容易に使いやすい。自動車産業では起こりにくい。
このような状況があるにも関わらず、「どうして、こんなこと、気がつかなかった?」と思わずにはいられないような、実につまらない異文化無知をさらけだす。
結局において、異文化理解の基本とは人へのリスペクトである。ある文化に生きる人を重んじ、別の文化に生きるある人を「軽く見る」「下に見る」から問題になる。
ローカライズとは対象市場の人の尊厳と関わるのである。「売り上げを伸ばしたいからローカライズした」との態度が傍からも分かれば、人によっては「馬鹿にするな」とも思う。
人権に関わると言ってもよい。非常にセンシティブなレベルの話をしているのだ。
異文化理解をスキルと勘違いしてはいけない。