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小中高での金銭教育開始 子供から大人までお金について学ぶ時代に突入 あなたの知識は大丈夫?

金融業界においては国民・消費者が金融知識を備えれば投資をするはずだ、と短絡的に考えている節があります。今まで日本の消費者が投資に前向きでなかったのは、平成バブルにより土地や有価証券で大損した「痛い経験」から学んだと考えるべきでしょう。

※画像はイメージです(GettyImages)
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むしろ問題は、消費者に金融機関都合の商品を売ったり、回転売買で手数料を稼ぐことを社内で励行してきたツケが大きすぎて、投資という行為自体の信頼性を回復できていないのです。

失敗しない貯蓄と、失敗続きの投資のどちらを選ぶのが合理的でしょうか。答えは明らかです。

能動的にお金について学ぶFP資格取得という自衛策

ファイナンシャル・プランニング技能士(以下、FP技能士)という国家資格があります。3級、2級、1級と難易度の違いはありますが、人生に必要なお金とその周辺知識を学ぶ内容となっています。

今まさに金融経済教育を施されている子どもたちが社会に出るまで、大学卒業まで含めて早くて5年以上、小学生であれば十数年かかります。さらに、学んだ彼らが社会の中枢を担うには、卒業から10年~20年必要でしょう。となると、教育の効果が出るのは20~30年後とだいぶ先の話になります。国家100年の大計とはよく言ったものです。

学校でお金の勉強をしてこなかった人たちはどうやって学べば良いのでしょう。体系的に金融経済知識を身につける手段の1つが、FP技能士の資格取得です。入門レベルである3級の内容であっても、社会に出てどんな知識が必要なのかがわかります。仕事に生きるほどの深い知識ではありませんが、日本のいろいろな制度が、どのような法律に基づいているか、制度を利用するといくら受給できるかといった「さわり」の部分を学習することができるのです。

インフレになって、生活が苦しくなっても、多くの会社では給与の変更は年に一度。業績が確定し決算を終えたあとだと考えると、物価上昇に対して給与に変更が加えられるまでに1年以上のタイムラグがあります。自衛しなければお金が手元からこぼれ落ちていきます。

20年前と今と比べてみると、社会保険料は上昇し、所得税は所得控除を中心に増税され、消費税が倍になっています。手取りが徐々に減っていくなかで、多くの生活者はFP技能士の勉強を通じ、自衛策として家計改善を試みている可能性があります。それが累計合格者250万人超えの一因となっているかもしれません。地方公務員(行政、教員、警察、消防等)の総数に肉薄していると考えれば社会インフラのような資格と言えます。

FP資格で学べる日本の制度

お金のことを学ぼうとしたときに、最優先に理解すべきは日本の制度です。国の制度は法律により規定されていますから、住む国が異なれば学ぶべき法律と制度も変わります。

将来、海外で生活しようと考えている場合は、日本の制度について習熟する必要性は少ないですが、日本での生活を前提とする場合は、自国の制度理解が重要です。日本の社会保障制度はどのような内容で、自分たちが利用できるのはどのようなタイミングか。日本の納税制度はどうなっているのか。といった、学校で学んだはずの知識をFP技能士の勉強を通じて再度学習してはいかがでしょうか。

FP資格だけでは網羅できない世界のお金の流れ

ただし、FPの勉強だけでは足りない分野があります。それが資産運用です。たとえば、なぜ円安になっているのか。世界中の株価が下落しているのはどういった理由か。経済理論にもとづいて世界のお金の流れを俯瞰したり、自らの投資行動に反映したりすることは、FP資格の取得だけでは難しいでしょう。

たとえば、つみたて投資が推奨されていますが、なぜ積立投資をするとリスクが下がるのでしょうか。FPの勉強ではリスクが下がるという結果しか学べませんが、投資理論を学ぶとリスクが下がる理由まで理解できるようになります。数学などの知識が必要なため難易度は高まりますが、FPの次は投資理論を勉強するのも有効です。

2021年までの金融緩和相場を背景に、iDeCoやつみたてNISAは「確実に」プラスになると考えている相談者が多いことに、筆者は危機感を覚えています。このあたりは、政府や金融機関が制度周知に重点をおいてメリットを強調するあまり、リスク概念が正しく伝わっていないように思えます。こんなはずじゃなかった、という人が出ないことを祈ります。


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