トヨタとダイハツ“選択と集中” 完全子会社化、競争力のある車づくりへ

 

 トヨタ自動車は29日、51.2%を出資するダイハツ工業を8月1日付で完全子会社化すると発表した。ダイハツが得意とする小型車は新興国などで需要の拡大が見込まれており、グループで一体となって小型車事業の競争力を強化する。トヨタはスズキとの提携も視野に入れる。

 完全子会社化はダイハツ株主にトヨタが保有する自社株を割り当てる株式交換方式で行い、ダイハツは7月27日に上場廃止になる見込み。両社の小型車の技術や事業基盤を融合し、一体運営を進める。軽自動車などのダイハツブランドは存続させる。

 トヨタは1967年にダイハツと業務提携し、98年に株式の過半数を取得して子会社化した。役員を派遣し、小型車の共同開発や生産委託を行っているほか、軽自動車のOEM(相手先ブランドによる生産)供給も受けている。

 手頃な価格で低燃費の小型車は先進国だけでなく、自動車保有層が増加している新興国でも需要が期待できる。両社はインドネシアでミニバンの共同開発や生産協力を行っている。

 トヨタは米国や日本では高いシェアを持つが、新興国では伸び悩んでいる。ダイハツも国内軽自動車で首位だが、国内市場は将来的に縮小が見込まれる。

 このため、トヨタはダイハツを完全子会社化し、小型車のグローバル戦略を一本化。ダイハツが得意とする商品企画や低コスト生産などと、トヨタが得意な環境・安全技術などを持ち寄って、競争力のある車づくりにつなげる。トヨタの豊田章男社長は「任せることは任せ、それぞれが得意分野を伸ばす“選択と集中”こそがグローバル競争を勝ち抜く鍵になる」とコメントした。

【用語解説】ダイハツ工業

 トヨタ自動車の子会社で、小型車を手掛ける自動車メーカー。本社は大阪府池田市。2014年度の軽自動車の国内販売台数は68万7393台で、年度ベースで9年連続首位。1967年にトヨタ自動車と開発・生産で業務提携し、98年にトヨタがダイハツ株の過半数を取得した。2015年3月期連結決算は売上高が1兆8171億円、最終利益が681億円。