神鋼データ改竄 ガバナンス崩壊…苦渋の表情で川崎社長「信頼度はゼロに落ちた」
神戸製鋼所は、アルミ・銅製品のデータ改竄を8日に発表してから1週間足らずで次々に新たな不正が発覚した。特に、川崎博也会長兼社長が「不正はない」と明言した鉄鋼事業の主力製品でも見つかったことで、情報開示姿勢にもまずさが目立った。同社の企業統治(コーポレートガバナンス)はまったく機能しておらず、川崎氏の経営責任が厳しく問われそうだ。
一連の問題では、各事業所の品質管理部門担当者だけでなく、それ以外の担当者もデータ改竄にかかわっていた可能性が浮上。工場長ら幹部も「見て見ぬふり」をしていた恐れがある。アルミ製品の中には10年前からの不正もあり、「日常的かつ組織ぐるみで改竄が行われていた」ことになる。
「神戸製鋼の信頼度はゼロに落ちた」
川崎氏は13日の記者会見で苦渋の表情をみせたが、自身の責任問題については「リーダーシップを発揮して、難局を切り抜けることがトップとしての責任」と強調。「(進退は)慎重に考えたい」と述べるにとどめた。
川崎氏は前日、経済産業省で記者団に対し、鉄鋼部門の不正は「ない」と言い切ったばかり。それが、翌日には鉄鋼製品など9製品で不正を確認したと発表した。
「現在の調査との連続性はなく、(12日時点では)『(鉄鋼製品に)不正はない』と発言した」と説明したが、取引先や消費者の理解は得られそうにない。前日の発言を簡単に覆す“軽い”経営トップでは信頼回復は難しく、社内外から「辞任は避けられない」との声が上がりそうだ。
車のボンネットやドアに使ったトヨタ自動車などは、安全性に問題がないか調査を進めている。海外企業では米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーターのほか、米航空機大手ボーイングも調査に乗り出した。影響は広がり続けており、事態収拾の見通しは立たない。神戸製鋼の対応が遅れれば、日本の「モノづくり」の信頼は根底から崩れる。(平尾孝)
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