セブンとイオン、中間で最高益 ユニー・ファミマは「サンクス」転換で費用かさむ

 
流通大手3社の2017年8月中間連結決算

 流通大手3社の2017年8月中間連結決算が12日、出そろった。セブン&アイ・ホールディングス(HD)とイオンの2社は、本業のもうけを示す営業利益が過去最高。不採算店舗の閉鎖などで総合スーパー(GMS)の収益が改善されたほか、コンビニエンスストアや金融事業などが利益を押し上げた。足元は消費者の節約志向が根強く、ネット通販が台頭しており、各社の収益を圧迫しかねない。

 12日に決算発表したセブン&アイHDは、主力のコンビニで8月まで既存店売上高が61カ月連続プラスと好調だった。百貨店やGMSは不採算店舗の閉鎖効果もあり採算が改善された。

 イオンは最終損益が42億円の黒字(前年同期は53億円の赤字)に転換した。GMS事業は104億円の赤字だが、コスト削減で損益は100億円改善。さらに好調なドラッグストアや金融、不動産事業が利益を稼ぎ出した。

 一方、ユニー・ファミマHDは、コンビニの「サークルK」と「サンクス」ブランドを「ファミリーマート」に順次転換する統合費用が膨らみ、営業減益だった。それでも不採算店舗の閉鎖といったGMSのコスト削減が進むなど、営業利益は当初予想を89億円上回った。

 18年2月期の業績予想は、イオンが営業利益を2000億円(従来予想は1950億円)に、ユニー・ファミマHDは最終利益を310億円(同240億円)に、それぞれ上方修正した。

 ただ、8月に値下げしたイオンがさらに価格引き下げを検討するなど、競争環境は厳しさを増している。各社は不振のGMSなどで、さらなる構造改革に迫られそうだ。

 ■流通大手3社の2017年8月中間連結決算(売上高/営業利益/最終利益)

 ・イオン

  4兆1686(1.4)/850(17.5)/42(-)

 ・セブン&アイHD

  2兆9871(4.2)/1944(7.2)/894(2.7倍)

 ・ユニー・ファミリーマートHD

  6336(▲0.2)/334(▲11.7)/223(17.4)

 ※単位は億円。カッコ内は前年同期比増減率%、▲はマイナス、-は比較できず。ユニー・ファミリーマートHDは国際会計基準で統合前のファミリーマートとユニーグループHDの合算との比較