【新興国に翔ける】海外販売の課題は3つに集約される

 

 □スパイダー・イニシアティブ 代表・森辺一樹

 前回(10月31日付)は、日本の消費財メーカーが海外に進出する際の大枠のストラクチャー(構造)について、各レイヤー(階層)における課題を解説した。細かく見ると、レイヤーごとにたくさんの課題があるわけだが、実はこれらの課題はたった3つに集約される。

 食品や飲料、菓子などの業界でいえば、現地工場、現地販売会社、そして現地の卸売業者や販売代理店などディストリビューター、サブディストリビューターを経て、近代小売りや伝統小売りを通じて消費者に商品が流れていく。これらの各過程における課題は、前回に指摘した。

 例えば、地域統括会社が名ばかりの統括拠点であったり、現地販売会社がそもそも販売チャネル構築のノウハウが全くなく、ディストリビューターの管理・育成など論外だ。近代小売りにばかり目がいって、伝統小売りへの対策を取ることができていない。消費者をまるで理解していないために、課題は挙げればきりがないのだ。

 しかし、これらの課題を集約すると、日本の消費財メーカーが海外展開に成功してシェアを上げるための重要課題は次の3つであることがわかる。(1)中間層に求められる「商品の開発」(2)中間層が買いやすい場所に商品を並べられる「チャネルの構築」(3)中間層が選びたくなるような「プロモーション投資」。

 消費財メーカーだから、アジア新興国では最もボリュームが大きい中間層を狙うのがビジネスの肝だ。中間層が求めている商品を、現地の中間層が買いやすい価格で、近代小売りだけではなく伝統小売りに商品を並べ、商品を消費者に選んでもらえるようなプロモーションに投資をする。この3つが、いま、日本の消費財メーカーが早急に取り組むべき重要課題なのである。

 次回は、この3つをもう少し深く解説する。(隔週火曜日に掲載)

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【プロフィル】森辺一樹

 もりべ・かずき 海外販路構築のスペシャリスト。15年以上にわたり1000社以上の海外展開の支援実績を持つ。アジア新興国市場の販路構築が専門。海外市場開拓コンサルタントの第一人者として活躍中。“アジアで売る”ためのノウハウをネットラジオで無料配信中! www.spyderagent.com/podcast