「挽回に注力」繰り返す西川社長
日産記者会見・詳報(4完)日産自動車の無資格検査問題をめぐり、横浜市の本社8階で開かれた記者会見は、開始2時間を超えて質疑応答が続く。西川広人社長と山内康裕CCOは、一連の問題が近年の人手不足によるものではない、との説明を繰り返した。
実際、悪しき習慣の起源が約40年前までさかのぼるのであれば、近年の雇用環境と無資格検査は無関係だ。だが、役員報酬のカットなどを明言せず、自らの経営責任に関しても「現状からの挽回が使命」との答えに終始する西川社長に対し、報道陣からは「けじめが感じられない」などと厳しい指摘が上がる。
--人手不足なら、期間従業員でなく正規従業員を増やせばいいのではないか
西川氏「期間従業員がいなければ、全体の人手を確保できない。ただ、完成検査を担当する期間従業員については、トレーニングした上でできるだけ正規従業員に登用することを進めている」
--西川社長の進退、経営責任の取り方は
西川氏「私の責任はあくまでこの状態からの挽回、事業の正常化が使命であり、責任だと思っている」
--けじめが感じられない。たとえば三菱自動車の燃費データ不正問題では相川哲郎社長が辞任し、益子修会長も辞意を表明した上でカルロス・ゴーン氏に慰留された。西川さんは、社長に就いて日が浅いが、長きにわたり生産部門の幹部だった。結果責任もあるはずだ。
西川氏「私の立ち位置は、この状態を挽回することに尽きると思っている。その先は、私が決めることでない部分もある。国土交通省の処分だけでなく、取締役会の決定もあるし、少なくとも私のミッション(使命)としては、過去を断ち切ってできるだけ早く事業を正常化することに尽きる。長く社長を務めるとか、そうしたことは考えていない」
--「あくまで過去から続いてきたこと」「自分に責任はなく、だれも責任を取らない」と聞こえる
西川氏「繰り返しになるが、現経営陣としては今の状態からの挽回に注力したい」
日産の司会者が質問受付の終了を告げ、記者会見は開始から2時間28分後の午後6時58分、西川、山内両氏が再び深々と頭を下げて終わった。
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