国交省が神鋼に5項目の改善を要求 データ改竄のMRJアルミで
神戸製鋼所の製品データ改ざん問題で、国土交通省は17日、MRJ(三菱リージョナルジェット)に使われているアルミニウム製品を製造した神戸製鋼大安工場(三重県いなべ市)に対し、再発防止策の具体化など5項目の改善を求めた。立ち入り検査で、不正発覚後に一定の対策が取られたことを確認したが、不十分だと判断した。検査で新たな重大な不正は見つからなかった。
国交省は10月23日から3日間、MRJの量産化に向けて品質を確保するため、立ち入り検査を実施。神戸製鋼の調査ではアルミの強度試験でデータ改ざんが確認されていたことから、寸法など他の計測作業に不正がないかを調べた。
データを不正に書き換えられないようにシステム変更したことも確認した。
国交省の指摘では、本社からの圧力など根本的な原因に対する具体的な再発防止策の策定のほか、品質管理部門の管理者に対する教育が不十分だとし、制度を見直すことを求めた。
このほか社内検査で不合格品を発見した場合、再検査や廃棄などの処理が規定に明示されていないことや、不正の有無を点検する際に使用するデータシートの一部に誤記があり点検作業の正確性に疑義があることも問題視。試験分析室で計測機器などの管理が十分でないとも言及し、それぞれ改善するよう求めた。
神戸製鋼は「早期に改善計画を立案し確実に実行していく」(広報)とコメントしている。
神戸製鋼は11月10日付で大安工場を大安製造所に改称した。
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神戸製鋼所は17日、データ性能の改ざんなど問題製品の納入先企業525社のうち、約91%に当たる480社で一定の安全性を確認できたと発表した。10日の前回公表時から6社増えた。残り45社の確認作業を急ぐ。
内訳は、納入先企業が安全性を確認できたのが329社で、前回から12社増えた。納入先が当面の問題はないと判断したのは7社増の118社、神戸製鋼側が安全と判断したのは13社減の33社。納入先企業による確認ができた場合が最も安全性が認められると分類している。
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