20年末までに全自販機をノンフロン化
eco最前線を聞く□日本コカ・コーラ コマーシャルリーダーシップ&ベンディング事業部グループマネジャー・中里泰雄氏
日本コカ・コーラが冷媒にフロンを使用しない「ノンフロン自動販売機」の導入を進めている。冷媒に使用されるフロンが、二酸化炭素(CO2)などに比べてもより温室効果が高く、地球温暖化に影響を及ぼすためだ。フロンの使用を規制する“脱フロン化”の流れが世界中で加速する中で、コマーシャルリーダーシップ&ベンディング事業部販売機材/プラットフォーム企画グループの中里泰雄グループマネジャーは「2020年末までに全自販機のノンフロン化を目指す」と力を込める。
◆温暖化防止など取り組み
--ノンフロン化に取り組んだ経緯は
「コカ・コーラグループでは持続可能な事業は環境や地域社会の持続可能性(サステナビリティー)に支えられているとの認識の下、地球温暖化防止を環境サステナビリティーの取り組みの重点分野の一つとして位置づけている。ノンフロン自販機はコストが高いが早く取り組むべきだとの考えから業界に先駆け05年から導入した」
--ノンフロン自販機の導入台数は
「現在、当社が全国に設置している自販機の数は約98万台。このうち約半分に当たる約50万台がノンフロン自販機だ。そのうちの大半が現在主流となっているCO2を冷媒に使ったタイプのものを採用している。11年以降、新規設置や切り替えの自販機は全てノンフロン型を採用してきた。20年までに国内の全自販機をノンフロン型に切り替える計画だ」
--ノンフロン化の進捗(しんちょく)ペースは計画通りか
「導入当初、予想していたスピード感よりは若干遅い。その要因は飲料を自販機よりも低価格で販売するスーパーマーケットや量販店などに客が流れたりして、自販機事業の収益性が落ちていることがある。ただ、世界的にみても自販機や冷蔵庫などの冷媒はノンフロン化が進んでおり、今後、ノンフロン自販機の導入を加速する」
◆ピークシフトで電力削減
--普及の課題は
「価格だ。自販機の大きさなどによってそのコストは異なるが、従来の自販機よりも数万円程度のコストアップ要因になっている。また、社会的になじみが薄いことも大きな課題だ。認知度アップには、飲料業界、自販機メーカーといった企業だけでは限界があり、国を挙げて取り組む必要があるだろう」
--ノンフロン化以外のエコ自販機の取り組みは
「一つは『ピークシフト自販機』だ。東日本大震災後の電力逼迫(ひっぱく)に対応するために開発した自販機で、電力に余裕がある夜間に冷却し、日中は冷却を停止したままでも最長16時間冷たい製品が販売できる。日中の消費電力を95%削減できるのが特徴だ。16年12月末までの設置台数は約17万台だが、20年までに全国に設置した自販機の約半数以上の導入を目指している」
「また、10年からソーラーパネルを設置した自販機も導入している。ソーラー発電システムによる蓄電で2日分の夜間照明に使う電力が賄える。こうしたエコ自販機の導入を進めることで、当社の20年までの環境目標である『製品のカーボンフットプリント(製品ライフサイクルでのCO2排出量)を10年比25%削減』の早期達成を目指す」(松元洋平)
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【プロフィル】中里泰雄
なかざと・やすお 法大文卒。1986年日本コカ・コーラ入社。ブランドマーケティング、ベンディング事業の担当などを経て2010年から現職。55歳。東京都出身。
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