コニカミノルタやJTB、星空観察や博物館鑑賞にVR活用

 
報道向け体験会で、モネの絵をVR体験するJTB情報システムの社員=11月上旬、東京都品川区

 コンピューターで生み出した映像や音楽により現実のような疑似体験ができるバーチャルリアリティー(VR)の活用が注目されている。女性をターゲットにした星空観察を楽しめる施設、美術館や博物館の新たな鑑賞方法を提供するサービスも登場している。

 宇宙船をイメージ

 東京都江東区にある集団体験型の施設「コニカミノルタ バーチャリンク」。宇宙船をイメージした椅子に座って専用ゴーグルなどを装着すると、360度に無数の星が瞬く宇宙空間が広がる。

 11月中旬、友人と訪れた都内に住む40代主婦は「星空が本物のようにきれいで、ずっと見ていたいと思った」と話した。

 運営するコニカミノルタプラネタリウムは、都内でプラネタリウムを展開しており、実際の星空のデータなどを生かした映像が特長だ。

 約15分間、他の人と協力し、隕石(いんせき)から地球を守るといったゲームが楽しめる。利用年齢は12歳からで1500円。射撃ゲームなど操作機を使用するタイプとは異なる。広報担当者によると「操作が得意ではない女性も楽しめるよう工夫した」という。

 施設は7月にオープン。墨田区内の同様の施設(11月末まで)と合わせると10月末までで利用者は5万人を突破した。

 絵画鑑賞にも

 JTBの子会社、JTB情報システム(東京)は、新規事業として美術館や博物館向けにVRの導入サービスを始めた。体験型サービスを提供して旅行や観光を活性化させる狙いだ。

 第1弾は12月10日までの期間限定(土日のみ)で、神奈川県箱根町のポーラ美術館で実施。美術館所蔵のフランス印象派を代表する画家、クロード・モネの絵画「睡蓮(すいれん)の池」を来館者がVR体験した。

 JTBグループとして全国の美術館や博物館など100カ所以上と提携しており、既に数カ所の施設で同様の企画開催に向けて準備している。

 JTB情報システムの杉本功執行役員は「今後もサービスを拡大し、各施設の集客力アップや魅力づくりのほか、地域の観光活性化につなげたい」と意気込んだ。

 11月上旬、都内で開かれた報道機関向けの説明会で、ポーラ美術館の松井孝副館長は「異なる視点で絵画を鑑賞してもらう狙いがある。実物もぜひじっくり見てほしい」と語った。

【用語解説】仮想現実(VR)

 コンピューターで仮想の世界を現実のように疑似体験する技術。英語でバーチャルリアリティーと呼ばれる。教育や防災などでも活用されている。