西日本冷食/neix 粉飾発覚、金融機関の支援得られず

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 ▼西日本冷食 西日本冷食は11月22日、福岡地裁から破産開始の決定を受けた。

 同社は中国産のシャコや小柱などの輸入販売を主体とし、一部国内産の水産物も取り扱っていた。また、シャコの未利用部分を飼料にしたうなぎの養殖技術で特許を出願。ベンチャーキャピタルからの出資や自治体からの補助金を得るなどして事業を拡大してきた。

 2013年10月に設立した関連会社と連携し、自社ブランドうなぎを14年夏から出荷。さらに同じ飼料でスッポンの養殖販売も始めた。これに伴い売上高は拡大し、16年8月期には約10億100万円を計上した。

 しかし、最近は資金繰りが厳しく、今年5月には金融機関への返済が困難となりバンクミーティングを開催。その際に関連会社とともに決算内容への疑義が生じたとされ、各取引銀行が従来の支援姿勢を変え、6月には一部金融機関が債権譲渡を実行した。金融機関や株主からの訴訟もあり、8月には債権者から破産を申し立てられ、今回の措置となった。

 ▼neix neix(旧ネイクス)は11月20日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全命令を受けた。

 電話通信端末機器の開発製造を手掛け、回転ダイヤル式電話のダイヤルパルス信号をプッシュホン対応のプッシュボタン信号に変換する装置はコールセンターで標準装置となった。その後も通話録音システム、FAX誤送信防止システムなどを開発、システムインテグレーション(SI)事業にも参入。多角化と買収で業容を拡大し、ピークの2008年6月期には売上高115億2171万円を計上した。だが、経費負担が急速に増して経営を圧迫。09年にはSI事業を売却、景況の悪化も影響し12年6月期には18億1300万円の赤字となり、債務超過に転落した。

 16年6月期以降は売り上げが一段と落ち込み、事業継続が困難となった。こうした中、ネクストジェン(東京都港区)が支援を表明したため、民事再生で再建を図ることになった。

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【会社概要】西日本冷食

 ▽本社=福岡市東区

 ▽設立=2009年9月

 ▽資本金=8750万円

 ▽負債額=16億円超

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【会社概要】neix(旧ネイクス)

 ▽本社=札幌市白石区

 ▽設立=1993年7月

 ▽資本金=3億円

 ▽負債額=約26億3200万円

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 〈チェックポイント〉

 西日本冷食は返済猶予を要請するはずだったバンクミーティングで粉飾決算が発覚、金融機関の支援が望めなくなった。特許を保有し、うなぎやすっぽんの養殖で期待された地元ベンチャーだったが、運転資金の増加で資金繰りは火の車。粉飾決算がひとたび発覚すれば金融機関からの追加支援は難しい。

 neixは独自技術で実績を積み、M&A(企業の合併・買収)戦略で業容を拡大した。買収資金は金融機関から調達したがリーマン・ショック以降は傘下企業がことごとく失速し、事業売却と債務整理に追われた。景気悪化の影響を受けたとはいえ、拡大路線からの方向転換を早く進めていれば、違った結果になったかもしれない。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)