政策パッケージ 経済界一枚岩にならず…3千億円拠出に日商「容認しない」

 
日本商工会議所の三村明夫会頭

 政府が8日閣議決定した政策パッケージは総額約2兆円の財源のうち3千億円の負担を安倍晋三首相が経済界に要請した。経団連の榊原定征会長は、これに応じることを表明したが、日本商工会議所は拠出を「容認しない」立場を貫いたまま。政策パッケージをめぐり経済界は一枚岩になりきれずにいる。

 政策パッケージの閣議決定に対し、榊原氏は「少子高齢化の壁や潜在成長力の停滞といった構造問題の解決に向けた内容だ」と評価するコメントを発表。日商の三村明夫会頭も「中小・小規模事業者の生産性向上を後押しする対策が盛り込まれた」と歓迎する談話を出した。

 しかし、3千億円の経済界の負担については、経済同友会の小林喜光代表幹事が「企業市民としての責任・社会貢献の観点から協力する」としたのに対し、三村氏は「子育て支援は国の最重要政策で本来は税による恒久財源で賄うべきだ。中小・小規模企業の負担が過重にならないように配慮を望む」とし、容認しない姿勢を崩さなかった。

 政府は今回の3千億円の負担について事業主拠出金の増額分を充てる方針。同拠出金はこれまで企業内保育所の整備などに使われてきた。三村氏は今回の負担を認める前提として、事業主拠出金の「運用規律を明確にすべきだ」と主張。政府や拠出側の代表が協議する審議会を設置し、「これまでの使い道のあり方や、今後の施策などをオープンな議論で決める必要がある」と訴えている。

 政策パッケージの関連法が整備されると、日商の会員である中小企業も拠出金の増額を余儀なくされるが、日商としては当面、容認しない姿勢を堅持する。

 事業主拠出金は、企業規模や業績に関係なく、従業員の給与総額に対する比率で決まる。内部留保が拡大している大企業は拠出の余裕があるとみられるが、中小企業は拠出が容易でない。経済界の足並みがそろわない異例の事態に関し、三村氏は「(経済団体で)立場が違う案件が時にはあり、今回が典型的な例」との認識を示している。(平尾孝)