オラが観光客呼ぶゾ イトーヨーカドー春日部店看板が「サトーココノカドー」に クレヨンしんちゃん25周年

 
イトーヨーカドーが大型看板を作品に出てくる「サトーココノカドー」に変更=13日、春日部市中央

 しんちゃんが春日部を盛り上げる-。人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の版元の双葉社などで構成する春日部PRプロジェクト実行委員会は、埼玉県や春日部市、東武鉄道などと連携したイベント「オラのかすかべ大作戦!」を15日から1月中旬まで実施する。同市関係者は観光客の掘り起こしに期待を寄せている。 

 同イベントはクレヨンしんちゃんの25周年記念事業の一環。原作者の臼井儀人さんが残した原画の初公開やアトリエを再現した「25周年記念クレヨンしんちゃん展in春日部」を、作品の中で登場するイトーヨーカドー春日部店(同市中央)のパロディー「サトーココノカドー」で開催する。同店は大型看板を作品中に出てくるコウモリのマークに変更する手の込みようだ。

 同市は「クレヨンしんちゃん絵はがきセット」の第2弾を15日に発売する。インターネットで販売せずに同市内のみで売ることで、国内はもとより海外の観光客誘致にもつなげる考えだ。

 第1弾は同市の名産である梨や藤、ひまわりなどにクレヨンしんちゃんが描かれ、平成25年4月に発売。これまで約4万セットを売り上げた。第2弾の製作では「春日部大凧マラソン大会」「かすかべ音楽祭」といった市内の人気イベントや「サトーココノカドー」など5種類を選んだ。

 5種類の絵はがき2枚ずつ(計10枚)に、特製クリアファイル、特別領収書兼しおりが入って1セット200円。同市役所(同市中央)や道の駅「庄和」(同市上柳)などで2万5千セットを販売する。売上金は全額、同市の子育て支援の充実のために活用するという。

 同市シティセールス広報課春日部ブランド担当は「クレヨンしんちゃんは『まちの案内人』『子育て応援キャラクター』でもあり、市のPRには欠かせない存在」と意義を強調。アジアを中心に世界でも人気を誇ることから、「春日部でしか入手できない。世界中から観光客を呼び込むことができれば」と期待を込めた。

 このほか、東武鉄道が春日部駅西口の駅名看板をクレヨンしんちゃんのオリジナルデザインに変更。県は同市内6カ所をめぐる「埼玉×アニメ・マンガ横断ラリーin春日部」を開催する。

 同市内は約1カ月間にわたり、しんちゃん一色に。町おこしの要素を兼ねていることから、他の自治体の参考にもなりそうだ。(大楽和範)