【ハザードマップ】テクノエックス/WINPRO

 

 ■強気計画も結果伴わず資金枯渇

 ▼テクノエックス テクノエックスは11月30日、大阪地裁から破産開始の決定を受けた。その後、12月4日付で裁判所から特例で事業継続の許可を受けたことから、当面は事業を継続しながら一般債権は支払いを行う。

 同社は大阪電気通信大学で教授を務めた谷口一雄社長が設立し、蛍光エックス線分析装置や放射性セシウム測定装置などの製造・保守サービスを展開。大手企業からの受注のほか、放射性セシウム測定装置は東京電力福島第1原発事故で被害を受けた福島県と周辺自治体に導入された。

 2015年3月期は売上高約5億7100万円を計上した。しかし、運転資金や継続的な研究開発投資の資金需要もあり、外部資金への依存度が高まっていた。さらに、最近は放射性セシウム測定装置の受注が減少し、17年3月期の売上高は3億54万円に落ち込んだ。連続して赤字を計上し債務超過に転落、資金繰りも限界に達したため、今回の措置となった。

 破産管財人によると既にスポンサー候補があり、スポンサーとの協議を踏まえ、今後の方針を決定するという。

 ▼WINPRO WINPROは11月30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全命令を受けた。

 広島市で会社を設立した後、しばらく休眠状態だったが、2006年11月に風力発電を主体として事業を再開。主力商品の風力発電機は、従来のプロペラ型ではなくバーティカル型で効率よく風をとらえ、低周波音がない。太陽電池と併用することで災害発生時の電力供給源としても使えることから、環境エネルギーに関心がある企業や自治体から注目を集めた。

 13年3月期は、自治体向けの販売が好調で売上高3億1845万円を計上した。だが、その後投入を予定していた新型風力発電機の開発が思うように進まず、15年3月期以降は売り上げ不振が続き、億円単位の連続赤字から多額の債務超過に陥った。ファンドや提携先などからの出資や資金援助で事業を継続したが、今年9月頃に債権者から破産を申し立てられていた。

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 〈チェックポイント〉

 テクノエックスは多額の開発資金需要で、借入金が年商を超える規模まで膨らんでいた。同社製品は原発事故以降、必要不可欠なものとなった。特例による事業継続の許可も高い公共性が判断されたためで裁判所の柔軟な対応を後押しに速やかなスポンサーへの事業承継が求められている。

 WINPROは新型風力発電機の売り上げ減に加えて、経営陣の内紛が勃発、揚げ句に債権者から破産を申し立てられた。毎期、強気の事業計画を掲げて増資による資金調達で経営をつないできたが、実現しなかった。結果が伴わなければ投資で得る資金もいずれ枯渇するベンチャー企業の厳しい末路といえる。(東京商工リサーチ常務情報本部長 友田信男)

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【会社概要】テクノエックス

 ▽本社=大阪市東淀川区

 ▽設立=2009年9月

 ▽資本金=9500万円

 ▽負債額=約6億1300万円

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【会社概要】WINPRO

 ▽新潟市中央区

 ▽設立=2003年4月

 ▽資本金=4億9054万円

 ▽負債額=9億9220万円