整備経験、航空界に恩返し 日航OB4人、合同会社設立

 
エヌエス航空技術総研を設立した日航OBの遠藤怜さん(左奥)、酒井忠雄さん(右)ら=15日、東京都品川区

 自分たちを育ててくれた航空業界に恩返しを-。日航の整備部門で安全対策などの経験を積んだOB4人が、航空関連企業へのコンサルティングや技術支援をする会社を東京都内に設立した。4人とも60歳を超え、さまざまなノウハウを持つ同年代の仲間が続々と“卒業”する中で「もっと社会に貢献できるはず」と、再活躍の枠組みを整えた。

 4人には、1985年の日航ジャンボ機墜落事故後の対応に当たった経験を持つ人や、2010年の経営破綻で退職を余儀なくされた人も。

 最年長で元日航顧問の遠藤怜さん(71)は「仕事の中で得た最先端の知識をフィードバックしたい」と話している。

 4人は25万円ずつを出し合い、4月に合同会社「エヌエス航空技術総研」を設立した。4人は日航に入社した直後、かつて羽田空港にあった部品整備工場に配属されたことが共通する。

 日航で積み重ねた品質管理や安全対策などの経験や専門知識を生かし、エヌエスでは航空関連企業や、業界への参入を希望する企業への助言や調査、研修を実施する。

 例えば部品の整備会社に対しては、作業の抜けを防ぐ対策や、安全管理の在り方などを経営者側に助言。作業員への研修では、一つ一つの作業が航空機全体にどう重要なのかを示す。

 社名のエヌエスは「ネットワーク・オブ・スペシャリスト」の英語の頭文字で、4人以外に十数人の日航OBが「フェロー」として加わっていることを示す。航空業界の裾野は広く、4人では完全にカバーできないため、企業の要望に応じフェローに参加してもらう。

 設立者4人で最も若い、元日航安全推進本部長の酒井忠雄さん(65)は「会社は長く存続させたい。子供たちに空の世界に興味を持ってもらうための航空教室も開きたい」と意気込んでいる。