2017年のヒット商品紹介 「スイッチ」、インスタ映え、AIスピーカー…

 
3月、発売された「ニンテンドースイッチ」を手にする人たち=大阪市の「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」

 携帯できる家庭用ゲーム機や、インスタ映えする板チョコ-。今年人気を集めたり話題となったりした商品やサービスを紹介する。

 テレビにつないだり外に持ち出したり、遊び方を自在に選べる家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」が世界中で人気を集めた。任天堂の新型ゲーム機としては4年ぶりの製品で、カメラやセンサー付きのコントローラーなどの最新技術をフル活用。3月の発売以降、生産が追い付かず品薄の状態が続いた。

 テレビとつないで遊ぶ据え置き型のゲーム機でありながら、6.2インチの液晶画面とコントローラーを取り外し、携帯型ゲーム機として持ち歩くこともできるのが特長。ユーザー同士が同時に8台までつながってプレーでき、「いつでもどこでも友人や家族とパーティーのように楽しめる」(任天堂の開発担当者)こともヒットを後押しした。

 人気シリーズ「ゼルダの伝説」や「マリオカート」の新作ソフトを相次いで投入し、12月10日時点で国内外の累計販売台数1000万台を達成した。米国や欧州でも好調で、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「プレイステーション4」などライバルに負けない存在感を世界のゲーム市場で示した。

 当初は来年3月末までの販売目標を1000万台としていたが、今年10月に1400万台に引き上げた。任天堂の業績にも大きく寄与して2017年9月中間連結決算は売上高が前年同期の約2.7倍となり、君島達己社長は「天国と地獄のうち天国の状態」と話した。

 ただ生産面では計画の甘さから旺盛な需要に応えられず、インターネットの転売サイトで高値がつくことも。6月には「おわび」を任天堂の公式ホームページに掲載し、生産体制を強化するなど対応に追われた。

 ■板チョコ おしゃれな箱アレンジ

 明治の「ザ・チョコレート」はメーカーがカカオ豆の選定から商品になるまでを一貫して手掛けた板チョコだ。味や香りだけでなく、シンプルでおしゃれな箱のパッケージが写真映えするとして、会員制交流サイト(SNS)などで火が付いた。

 想定小売価格は250円前後と、同社の同じ量の板チョコ(50グラム)の2倍近く。だが、2016年9月の発売から今年3月末までに計画の2倍の売り上げを達成。10月には新しい味も追加し、11月時点で累計4000万枚を販売した。

 カカオ豆は担当者がベネズエラやブラジルなど世界10カ国以上をめぐって選んだ豆を使用。発酵やローストなどの製法にもこだわり、香りと味わいを重視している。中身も1枚の板ではなく、少量ずつ食べやすいよう3つに小分けして包装。カカオ分が70%のビターなものから、ミルク感の強い44%までの8種類を展開する。

 「大人の嗜好(しこう)品」を意識し、パッケージにもこだわっている。中身の写真など余計なものは省き、クラフト調の外箱の中心にカカオの実の絵柄を施した。豆の風味の特徴や産地の国旗、文化などのイメージに合わせ、種類ごとにカカオの実の絵柄の色や模様を選んだという。

 SNSでは箱を切り取って本のしおりにしたり、アクセサリーにしたりした写真を投稿する人が続出。インターネット上では箱のさまざまな利用方法が掲載されている。

 17年度のグッドデザイン賞でベスト100に選ばれたほか、ロンドンの品評会でも表彰された。フランスのチョコ愛好家団体によるデザイン賞も受賞している。

 ■AIスピーカー 空調や照明操作

 「オーケーグーグル、今日の天気は」

 「今日の天気は晴れ。最高気温は12度、最低気温は…」

 声による指示を人工知能(AI)で認識し、ニュースを読み上げたり、音楽をかけたりするスピーカー型端末「AIスピーカー」。スマートスピーカーとも呼ばれる。米IT大手グーグルなどが今年、相次ぎ日本での発売に踏み切り、話題となった。対応機器を購入すれば空調や照明の操作も可能で、AIスピーカー市場は今後9倍超に拡大するとの予測もある。

 グーグルの「グーグルホーム」のほか、LINE(ライン)の「クローバウェーブ」、米アマゾン・コムの「アマゾンエコー」が、日本で売られている代表的なAIスピーカーだ。クローバウェーブには「クローバ」と話しかけた上で天気を尋ねたり、聴きたい音楽をリクエストしたりする。

 ソニーも参入し、12月上旬にデザインを重視したスピーカーを発売。オランダの電機大手フィリップスがAIスピーカーの対応電球を売り出すなど関連業界も活気づく。この電球はスマホに取り込んだ専用アプリで設定して使う。設定後、例えば「オーケーグーグル、電気を消して」とグーグルホームに指示すると電球が消える仕組みだ。

 調査会社の富士経済は、国内AIスピーカー市場が各社の積極参入に支えられ、2017年度の18億円(20万台)から25年度には9倍超の165億円(240万台)に拡大すると予測する。

 今後魅力あるサービスをどれだけ付け加えられるかが普及への鍵になりそうだ。

 ■VR、娯楽から生活へ活用拡大

 コンピューターで生み出した映像や音、振動で現実のような疑似体験ができる仮想現実(VR)の活用が、ゲームの世界から、生活場面へと広がった。企業がVRを通じて、旅行や自動車の運転といった商品やサービスの特徴を体験してもらおうとし、展示会やショールームなどでの使用も目立った。

 VRはバーチャルリアリティーの略称。例えばVRに対応したゴーグルを装着すると、視界に仮想の空間が広がる。利用者は360度の周囲が現実と切り離され、「ゲームなどの世界に没入できる」(メーカー広報)。

 当初は新たな娯楽として広まった。ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、家庭用ゲーム機「プレイステーション4」に接続して使うVR端末を昨年10月に発売。次世代パネル「有機EL」を採用し、高精細な画像を売りに全世界で200万台を販売した。韓国サムスン電子や、米ベンチャー企業なども端末を販売している。

 今年は販促に活用する企業が相次ぎ、幅広い普及につながった。

 不動産事業を手掛ける大京は、マンションの購入希望者が、完成前の建物の玄関や部屋を視察できるサービスを提供している。