洗って快適 災害時向け女性下着 ファンクション・本間麻衣社長

 
災害・非常時向けの下着セット「レスキューランジェリー」。簡単に洗濯ができ、清潔に過ごせる

 震災など災害時の支援物資として貯蔵されている食料などと違い、多くの自治体では下着類は自ら準備するものと位置づけられ備蓄されていない。紙パンツを用意していることもあるが、ごみとして処分に困ることが多い上に、布製と違い着心地も良くなく、女性にとって不満の元となっている。ファンクションは、災害・非常時用に少ない水でも簡単に洗濯できる下着セットを製造販売している。本間麻衣社長は「避難時の体と心のケアに役立てる」と商品のコンセプトについて語る。

 ◆必需品をセットで

 「レスキューランジェリー」はブラトップ、ショーツ、布ナプキン、洗剤が専用バッグに収められている。下着の布地には竹の繊維を使用。竹の持つ抗菌防臭効果によって快適さを保てる上、少ない水で簡単に洗濯することもできる。専用バッグに下着と水、洗剤を入れ、外側からもみ洗いをする。

 洗剤の主成分は重曹で、界面活性剤を使っていないが洗浄力は強く、1回のすすぎで汚れを洗い落とせる。洗った下着をそのままバッグの内側につるして、人目を気にすることなく干すことができる。バッグには防水加工を施しているので、バケツや氷嚢(ひようのう)の代わりなど避難所生活では多くの使い道がある。

 川崎市多摩区役所に納入されているほか、出身地である茨城県常総市のふるさと納税返礼品にも採用されるようになった。大手家電量販店のビックカメラでは、旅行者向け商品としてトラベルコーナーで販売されている。価格は1セット1万1340円。

 ◆被災地で無償配布

 2015年に常総市での大規模水害、16年の熊本地震、17年には九州北部豪雨の被災地に出向いて無償で配布した。

 遠隔地にある被災地に出向くことは、交通網などのインフラが寸断されていることもあり容易ではない。しかし「利用者からヒアリングすることで、より良い商品に改良するため」自ら出向いている。使用した人からは「着替えられる」「洗濯して清潔な下着を着ることができる」と喜ばれている。

 13年8月に起業して下着ブランドを立ち上げ、ファッションに関心の高い人向けに下着の企画開発を始める。それと同時に東日本大震災の被災者の「下着が洗濯できず不衛生だった」「着替えが不自由だった」という声を報道を通じて知り、問題解決のため災害用下着の開発にも取り組んできた。

 もともと起業当初から「世の中の役に立つ商品をつくりたい」という思いがあったことから、まもなく災害用に特化するようになり、14年に最初の商品を完成させる。レスキューランジェリーは、15年には減災産業振興会によるグッド減災優秀賞を受賞した。

 年明けには通販各社、雑貨店、百貨店などに販路を広げる計画。来春の発売を目指してクラウドファンディングを活用しトランクスやTシャツなどの男性用セットの開発も進める。

 今後の目標について「高齢者のほか、体の不自由な人でも使用できる新しい商品に取り組み、全ての人が災害時にも快適に過ごせるようにしたい」と語る。

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【プロフィル】本間麻衣

 ほんま・まい 映像関係、セールスプロモーション会社勤務を経て、2013年8月ファンクションを設立し、現職。40歳。茨城県出身。

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【会社概要】ファンクション

 ▽本社=東京都港区南青山2-14-4

 ▽設立=2013年8月

 ▽資本金=500万円

 ▽事業内容=災害・非常時用下着の企画製造販売