日本コカ・コーラ、水源保護へ最大規模の森林保全 宮崎・えびの市で実施

 
社員らが参加して行われた下草刈りの様子=11月29日、宮崎県えびの市

 日本コカ・コーラが水資源保護の取り組みを加速している。11月下旬には、コカ・コーラウエストプロダクツの工場が立地する宮崎県えびの市で、過去最大規模の森林保全活動を実施。コカ・コーラシステムの日本における本格事業展開から60周年に花を添えた。

 活動通じ自然に還元

 コカ・コーラシステムは、清涼飲料製品の基本的な原材料として水を使用することから、水資源保全活動に積極的な取り組みをみせてきた。

 これは、米国本社のザ コカ・コーラカンパニーが掲げる“水資源の持続可能性を守るグローバル・リーダーになる”という目標の一環で進められてきたものだ。

 活動の柱は(1)製造工程における水使用量の削減(Reduce=リデュース)、(2)製造過程で使用する水の循環(Recycle=リサイクル)、そして(3)地域の水源保護-の3つ。ザ コカ・コーラカンパニーは、この3つの活動を通じ2020年までに全世界で製品とその製造に使用するのと同量の水を自然に還元するという「ウオーター・ニュートラリティー」を目標に設定した。

 世界全体では、15年に還元率115%(1919億リットル分の還元)となり、目標を5年前倒しして達成した。日本国内でも、16年に還元率115%となり4年前倒しした。

 それでも同社は活動の手を緩めず、水を守るグローバル・リーダーに向けて邁進(まいしん)する。背景には「すべての社員に持続可能性の意識が根付いた企業文化を築いていきたい」(日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長)という願いがある。

 宮崎県えびの市で実施された森林保全活動は、3つの柱のうち、“地域の水源保護”にあたるもの。水源地の森林を保全することで森林が水を蓄える力を高め、結果として水源を豊かなものにする。水資源の涵養(かんよう)である。使用量削減や再利用と違い、積極的に水を生み出す活動だが、空気の浄化や土砂災害の防止などさまざまな効果が期待されている。

 地元の森林組合に協力する形で展開されるこうした活動は、地元の林業関係者からも注目されている。参加者は木を出荷した後の植樹や下草刈り、間伐という一連の作業に参加した。

 今回はガルドゥニョ社長をはじめ、日本各地から総勢320人の社員が集まった。コカ・コーラシステムではこうした活動を全国で展開してきたが、今回は過去最大規模だという。

 参加者は現地の計3ヘクタールにも及ぶ山林で、森林保全に取り組んだ。コカ・コーラのロゴが入った鮮やかな赤い作業着の社員が現場に着くと、水源地の斜面はにぎやかに色づいた。

 現地は午前中まで雨が降り、足元があまり良くなかった。普段は望める霧島の雄大な景色も雲に隠れていたが、参加者からは「自然を感じられる貴重な機会だ」「普段のオフィスを出てこうした自然の中で作業したことでリフレッシュできた」「初めて林業の現場を見た。今後の仕事にも役立てたい」など、さまざまなコメントが聞かれた。

 地域特性に応じて

 コカ・コーラシステムの水資源保護活動は、全国21カ所に立地する工場の水源域で繰り広げられているが、その具体的な取り組みは地域特性に応じたもの。札幌市の白旗山での植樹、岐阜県恵那市での森林・棚田保護、熊本県内での阿蘇草原再生や水田湛水などさまざまだ。

 13年には日本コカ・コーラが日本製紙グループと森林資源および水資源の保全・保護に関する中長期の協働活動協定を締結。その一環として、コカ・コーライーストジャパンの一大水源地である日本製紙の社有林(群馬県片品村)で毎年、水源保全につながる地域のサポート活動や植樹、子供たちを招いての体験型環境教育プラグラムを実施している。

 コカ・コーラシステムは「今後も顧客から支持される企業であるために、引き続きこうした取り組みを推進。顧客との共通の価値を生み出しながらサスティナブルな地域社会づくりに貢献していきたい」としている。