【現場の風】三井物産 カーシェア、日本やアジアでも展開目指す

 

 □三井物産執行役員 機械・輸送システム第一本部長・佐藤真吾さん(58)

 --自動車関連のタスクフォース設立の狙いは

 「自動車は相当な変化が起きており、部門連携する必要がある。電気自動車(EV)対応、蓄電池や車の軽量化に向けた新素材開発、複合サービスについて3年程度で収益化できる事業やビジョンを探りたい」

 --具体的には

 「米EVベンチャーにも出資しているが、EVの課題は走行距離が十分ではない電池だ。EV用電池の再利用では、再生可能エネルギーを手掛ける部門と連携して分散化電源を目指す方向もある」

 --保有から共同利用へライフスタイルも変化する

 「シンガポールの子会社を通じてカーシェアの実証試験に取り組んでいる。今後は地下鉄網などと連携し、利便性も高め、アジアや日本でも展開したい。日本の過疎地ではバスが運行できず、お年寄りが買い物にいけない問題もある。官民でリスクと予算を分担すれば社会的な課題解決につながるのではないか」

 --9月に米トラックリース会社に追加出資した

 「トラック輸送は世界的な電子商取引の増加で、人手不足が深刻化する。IoT(モノのインターネット)を使ったサービスで先行し、車体のセンサーを通じて収集したデータを使い、遠隔で部品やオイル交換時期を事前に察知し、保守修理する技術基盤を持つ。共同でビジネスモデルを変え、企業価値を上げたい。トラックの隊列自動運転システムを手掛ける開発企業にも出資し、相乗効果を期待している」

 --JR東日本と英旅客線の運営に参画した

 「従業員の意識改革が重要になるが、超過密ダイヤの中で安全性と定時運行を維持するJR東のノウハウを生かし、他の路線も受注したい。日本の鉄道システム輸出や駅での小売りなどの商機にも期待している」

【プロフィル】佐藤真吾

 さとう・しんご 東大経卒、1982年三井物産入社。輸送機・電子機械部 海外交通プロジェクト室、ブラジル三井物産などを経て2013年4月執行役員機械・輸送システム副本部長。タイ国三井物産社長、17年4月から現職。島根県出身。