東大発ベンチャー、毎秒1000枚の高速画像処理 生産ライン異常検出に威力

 
東大発ベンチャー、エクスビジョンが開発した毎秒1000枚の高速画像処理ができる組み込み用の基板(NEDO提供)

 ■生産ライン異常検出に威力発揮

 東京大学発ベンチャーで高速画像処理ソリューションの開発を手がけるエクスビジョン(東京都文京区)は、毎秒1000枚もの高速画像処理ができる技術を開発した。工場などの生産ラインや検査ラインに組み込み、形状だけで製品の良否を判定するほか、ラインの異常も検出でき、生産性の向上につながる。基板として供給し、2018年1月下旬から販売を始める。

 販売するのは「ハイスピード・ビジョン・ソフトウェア・デベロップメント・キット(HSV SDK)という基板。ソニーセミコンダクタソリューションズの高速ビジョンセンサー「IMX382」を搭載し、高速で生産ライン上を流れる製品など画像対象物を精緻にとらえる。

 取り込んだ画像から対象物の色や重心位置などを判別し、不良品の排除などを即座に行える。従来は撮影枚数が少なく、生産ライン上などを高速で移動する製品の次の状態を予測して、機械などを制御する必要があったが、こうした手順は不要となる。

 例えば、生産ラインにこの技術を活用すれば、製品外観から不良品を見つけやすくなるとともに、それを手がかりにラインの異常をすばやく検知して操業を止め、修理などの対応をとることができる。

 このほか、撮影した画像に関する情報を作業ロボットなどにフィードバックすることで、ロボットの自律的な動作がしやすくなるという。

 エクスビジョンでは、映像メディア、ヒューマンインターフェース、バイオ・医療、セキュリティー、自動車・交通、高速3D入力、高速ロボットなどの分野への応用展開を想定した用途開発に取り組む。

 この技術は同社が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」の一環として東京大学などとともに開発した。

 エクスビジョンは、東京大学情報理工学系研究科の石川渡辺研究室で開発された高速画像処理技術の成果をもとに、2009年に設立。政府系ファンドの産業革新機構やスパークス・グループのベンチャーファンド「未来創成ファンド」、米インテルキャピタルなどから資金調達を実施し、開発を続けてきた。