東レのデータ改竄、「経営層が品質保証を軽視」 有識者委が報告書

 
東レハイブリッドコードが製品検査データの書き換えを行った件で会見する、東レの日覚昭広社長=11月28日、東京都中央区(寺河内美奈撮影)

 東レは27日、子会社の東レハイブリッドコード(THC、愛知県西尾市)で発覚した製品の検査データ改竄(かいざん)について、外部の有識者委員会が作成した調査報告書を公表した。このなかで「THCの経営層が品質保証機能を軽視し、品質保証室長としての適正を欠く人選をしていた」ことが不正の原因だとした。

 また、人員が足りず、データが規格値から外れた場合、再測定の手続きをとると納期に間に合わないことへのプレッシャーや、「同室長が検査数値を修正した場合に事後的にチェックするシステムがなかったこと」も不正の原因に挙げた。

東レは記者会見を開かず

 今回の報告について、東レの日覚昭広社長は「グループ全体の品質保証・コンプライアンスの強化と再発防止に徹底的に取り組み、信頼回復に努める」とのコメントを公表。相談役の榊原定征経団連会長も「再発防止策を確実に実行することで、新たな品質保証体制を構築してほしい」とコメントしたが、ともに記者会見は開かなかった。

 報告書によると、データ改竄は平成20年4月から28年7月の期間に行われた。それ以外の期間では、データの書き換えはなかったほか、書き換えは品質保証室長しかできないため、この期間に品質保証室長であった2人だけが関与したデータ改竄で、組織的な関与はなかったと結論づけた。

 報告書は一方で、一連の問題に対する東レの対応については、調査期間が1年2カ月と長期化したことは理解できるとしたもの、グループ内での調査が今年2月に終了していたにもかかわらず、顧客に対しての事実報告が、今年10月以降に遅れたことに対しては「批判の対象になりうる」と、反省を求めた。

 東レではグループ全体の品質保証業務を統括する専任の役員を任命することや品質保証本部を設置するなどの対応を図っていく。