収益回復へ事業再編が焦点 柏崎刈羽原発、安全審査正式合格

 
原子力規制庁の安全規制管理官(左)から許可書を受け取る東京電力の担当者=27日午後、東京都港区

 東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)が新規制基準に基づく安全審査に正式に合格したことで、再稼働への歩みは次の段階に入る。しかし東電が原子力事業を再び軌道に乗せるには、事業の再編・統合を進め、収益回復に道筋を付ける必要がある。他電力が再編・統合に慎重な姿勢を続ける中、東電が政府に要望する制度改正が事態打開のかぎになりそうだ。

 経済産業省幹部は27日の合格を受け、「新規制基準の第1段階はクリアしたが、地元への対応を含め道のりは長い」と話した。

 東電は2基の再稼働で火力発電の燃料費が年間最大2200億円減ると試算。収益改善分は原発事故の賠償・廃炉などの費用に充てるが、経営再建には数千億円単位の巨額投資が必要になる原子力事業などの再編が不可欠になる。

 実際、東電は11月末の経営再建計画で、送配電と原子力事業の再編・統合の方針を公表。送配電では方針を踏まえ、関西電力などと予備用電力の融通などで連携の調整に入った。

 一方、原子力については「(他電力などとの)意見交換」(東電)にとどまっている。東電は単独で着工したものの東日本大震災で中断を強いられた東通原発(青森県)の建設を他電力と共同で再開し、収益拡大や技術開発につなげる考え。ただ、投資負担などをめぐる課題も多く、他電力は「慎重な姿勢に変化はない」と切り捨てる。

 東電は平成32年度をめどに連携先企業を選定する方針だが、実現は政府の制度整備などが左右しそうだ。

 東電は「電力小売り全面自由化の中で、事業の予見可能性の確保が課題」(文挾誠一副社長)として政府に制度整備を求めている。具体的には、政府による原発建設への債務保証や、原発の電力を固定価格で一定期間買い取る制度などが検討対象になる見込みだ。

 制度改正で原発の収益確保が見込めれば、他電力が連携に前向きになる可能性もある。柏崎刈羽原発が再稼働へ前進する中、原子力事業の再編・統合を実現して持続的な収益基盤を確立できるかが焦点になる。