東電、再編・統合も収益回復の鍵 事態打開、政府に制度改正要望へ

 

 柏崎刈羽原発6、7号機が新規制基準に基づく安全審査に正式に合格したことで、再稼働への歩みは次の段階に入る。東電HDは再稼働への地元説明と並行して、原子力事業の再編・統合を進め、収益回復に道筋を付ける考え。他電力が再編・統合に慎重な姿勢を続ける中、政府に要望する制度改正が事態打開の鍵になりそうだ。

 経済産業省幹部は合格を受け、「新規制基準の第1段階はクリアしたが、地元への対応を含め道のりは長い」と話した。東電HDは2基の再稼働で、火力発電の燃料費が年間最大2200億円減ると試算。収益改善分は原発事故の賠償・廃炉の費用の原資に充てるが、経営再建には数千億円単位の巨額投資が必要になる原子力事業などの再編が不可欠になる。

 実際、11月末に経営再建計画で示した送配電と原子力事業の再編・統合の方針を公表。送配電は方針を踏まえ、関西電力などと予備用電力の融通などで連携の調整に入る一方、原子力は「(他電力などとの)意見交換」(東電HD)にとどまっている。

 東電HDは他電力などと共同で、中断している東通原発(青森県)の建設を再開し、収益拡大や技術開発につなげる考え。ただ、ほぼ未着工の東通原発の投資負担に対する見方は厳しく、他電力は「慎重な姿勢に変化はない」と切り捨てる。

 東電HDは2020年度をめどに連携先企業を選定する方針だが、政府の制度整備などが左右しそうだ。

 文挾(ふばさみ)誠一副社長は「電力小売り全面自由化の中で、事業の予見可能性の確保が課題」といい、実現に向けて政府に制度整備を求めた。具体的には、政府による原発建設への債務保証や、原発の発電を固定価格で一定期間買い取る制度などが検討対象になる見込み。

 制度改正で原発の収益確保が見込めれば、他電力が連携に前向きになる可能性もある。

 柏崎刈羽原発が再稼働に向けて前進する中、原子力事業の再編・統合を実現して持続的な収益基盤を確立できるかが焦点になる。(会田聡)