インテグループ、中小専門にM&A仲介 完全成功報酬、依頼主の不安解消

 
インタビューに応じるインテグループの藤井一郎社長=19日午前、東京都千代田区(菊本和人撮影)

 企業売買の仲介、助言をするM&A(合併・買収)業界で、引き受けた仕事が成功したときだけ報酬を受け取る「完全成功報酬制」を採用している会社がある。中小企業専門に、M&A仲介やアドバイザリーを手掛けるインテグループがその会社だ。

 仲介が成功しなければ、収入を得られないリスクを背負う理由について、藤井一郎社長は「リスクを引き受けてでも、依頼主が納得することが最も大事なこと」と語る。

 実績は業界平均3倍

 --完全成功報酬制を採用している

 「M&A関連業者の料金には大きく分けて、着手金、中間金、成功報酬がある。着手金、中間金は、M&Aの成立前にいただくのが一般的だ。依頼主には、お金を支払ったあとでないとM&Aが成立するかしないかが分からず、不安だ。それが、経営者がM&Aに踏み切れない理由にもなっている。完全成功報酬制は、成立したあとで報酬を受け取る。依頼主は、料金面での不安がなく、納得しやすいと考えられる」

 --引き受けた案件が成立しなければ、料金を受け取れないのでは

 「その通りだ。従ってそうならないように、相談の段階で、その仕事を引き受けるかどうかをしっかり吟味する。『会社を売却したい』という相談が持ち込まれても、当社で『売却できそうにない』と判断したら、誠に申し訳ないが、その仕事は引き受けない。裏を返せば、引き受けた案件は、成功を見込んだということだ」

 --成約の確率は

 「上場している仲介会社の開示情報を見ると、社員1人当たりの成約件数は年間1件程度で、難しい仕事であることは確かだ。しかし、われわれは社員1人当たりの成約件数が年間3件と、業界平均の約3倍の実績をあげている」

 大きな成長余地

 --M&Aを仲介する会社として、売却しやすい会社とは

 「ある程度の規模があり、経営が個人に依存せず組織で運営され、利益がしっかり出ている会社だ。いくらわれわれが中小企業に特化しているとはいえ、従業員は最低でも10人いることが望ましい。組織で運営されているかどうかをみるには、経営者が社員に権限を委譲しているかが大切な判断材料になる。社員は2、3人で、売上高は年間数千万円、経営者1人が切り盛りしている-といった会社は、正直なところ売却することが難しい」

 --M&Aの意義とは

 「第1に優良企業の存続、発展、第2に起業家が創業者利益を獲得する機会の創出、第3に相乗効果が創出できる機会の拡大だ。日本のM&A市場は欧米に比べて半分の水準でしかないが、これは“成長余地が大きい”ということでもある。市場の拡大には利用者の納得性が重要で、そのためにも完全成功報酬制は必要になる。上場している仲介会社を含め、この報酬制を採用している企業は極めて少ないのが現状だが、われわれは、そのマーケットを築き、拡大させたい」

【プロフィル】藤井一郎

 ふじい・いちろう 早大政経卒。三菱商事に入社し、台湾・中国市場の自動車関連プロジェクトに従事。米国留学後、通信インフラを提供しているフリービットのマネジャーや、経営コンサルタントのサンベルトパートナーズ取締役を経て、2007年インテグループを創業。43歳。兵庫県出身。

【会社概要】インテグループ

 ▽本社=東京都千代田区霞が関3-2-5 霞が関ビル26階

 ▽設立=2007年6月

 ▽資本金=1億円

 ▽事業内容=M&Aの仲介・アドバイザリー