「ニンテンドースイッチ」品薄続く 部品メーカー活況で生産余力なし

 
家電量販店はニンテンドースイッチの入荷をアピール。だが、種類によっては完売していた=大阪市北区のヨドバシカメラマルチメディア梅田

 任天堂の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の品薄が続いている。今年3月の発売当初から、店頭で売り切れが続出。任天堂は10月、小売店にとって書き入れ時の年末年始に向けてスイッチを増産すると発表したが、店舗側はいつ入荷されるか分からず、クリスマス商戦の予約も受けられない状態が続いた。供給不足の背景には、景気回復に伴う好況で電子部品メーカーが増産体制を整えられない事情がある。

 「いつ入荷できるか分からず、お客さまに対し心苦しかった」。大阪市北区の家電量販店、ヨドバシカメラマルチメディア梅田の玩具担当者はこう振り返る。

 同店ではこれまで、スイッチ本体を100~200台入荷しても即日売り切れる状況が続いた。人気ソフトとセット販売した際には、抽選に2千人の行列ができたという。

 任天堂は10月に年間生産計画を1千万台から1400万台に増やすと発表。効果が表れたのは12月下旬のクリスマス直前だった。店舗側は、入荷量が倍増し、年末商戦を乗り切るメドがついたという。

 現在も、色違いなど本体3種類のうち、いずれかが在庫切れになる恐れがあるというが、入手することはできそうだ。おいっ子にプレゼントするという愛知県半田市の30代男性会社員は「電話で問い合わせたら在庫があり、よかった」と安堵(あんど)の声を上げた。

 ネット通販では希望小売価格の3万2378円より割高で販売する店もあったが、価格は戻りつつある。

 供給体制を長期間整えられなかった主な要因は、スイッチを作るために欠かせない電子部品業界の活況にある。

 電子部品メーカーでは、スマートフォンの部品に加え、自動車の電装化で車載部品に使われるなど、需要が旺盛だ。設備の増強に取り組んでいるが、生産余力がない状況という。

 センサーや通信機器を手掛けるアルプス電気は、平成30年3月期の設備投資を前期比26%増の603億円としているが、「車載は3~5年前から受注がある一方、スマホは開発から受注までの期間が短い。ゲーム機も含め、それぞれ期間の異なる注文が重なり、工場はフル稼働している」(広報担当者)という。

 半導体を主力とするロームも、30年3月期の設備投資を前期比4割増の600億円とするが、「電子部品業界全体が好調で、原材料の取引先や装置メーカーは繁忙になっている」と説明。速やかな増産は難しいという。(藤谷茂樹)