バイクにもEVシフトの波 ホンダ、ヤマハが世界攻略モデル 垣根越えて連携も

 
さいたま市による電動スクーターの貸し出し=同市見沼区役所

 世界的な「EVシフト」の波が強まる中、二輪車の世界2強が走行性能を高めた電動バイクを投入する方針を相次ぎ打ち出した。ホンダは年内に日本を含むアジア市場に、ヤマハ発動機も世界市場の攻略に向けた「グローバルモデル」を数年内に投入する。二輪でも脱ガソリン車を促す規制が強まることを見越して備えを強化する狙いだ。

 ヤマハ発は二輪車の電動化を加速するため、1月1日付でエンジンとモーターの開発部門を統合。エンジン開発で培った速度の制御などに関する知見をモーターに生かし、電動バイクの性能向上を進める。

 同社は電動バイクで14年以上の販売実績がある。現在は排気量50ccクラスの電動スクーターの5代目「E-Vino(イービーノ)」を日本と台湾で販売。着脱可能な電池を搭載し、充電1回当たりの走行距離は最長約30キロ。家庭用電源対応の充電器を使い約3時間で満充電できる。

 日本向けイービーノは2015年夏に投入し、昨年11月末までの累計出荷台数は約1100台。価格が約23万円と、ガソリン車と比べて約1割高い半面、パワーが劣ることなどがネックとなり普及は道半ば。このため開発体制を強化し、性能と価格の両面で魅力をさらに高めたグローバル対応の新モデル投入を目指す。

 ホンダは今年、独自開発の高出力モーターを積んだ電動バイク「PCXエレクトリック」を日本、アジアで販売する計画だ。排気量相当クラスは125ccか150ccになるか未定で、各国の法規制やニーズを探りながら決定する。ホンダは過去に電動バイクをリース販売していたが13年に終了。今年、EVシフトの流れを踏まえ改めて市場開拓に挑む。

 一方、消費者への訴求とニーズの取り込みを目指し、メーカーの枠を超えた連携も始まっている。ホンダとヤマハ発は昨年9月から、さいたま市と連携しイービーノを市民に貸し出し使い勝手などを検証する実証試験を開始。利用者から集めた意見を車両やサービスの開発に生かす計画で、市は「公共交通を補完する低炭素な乗り物」として注目する。

 ヤマハ発は「充電インフラの整備や部品の共有化などでも協調できる」としており、今後はスズキや川崎重工業も含めた国内二輪4社による環境整備の取り組みも見込まれる。