【刀剣ファン必見】VRで「三日月宗近」押形 三越日本橋本店で9日まで

 
本当に刀を抜いているかのような感覚も味わえる=2017年12月27日、東京都中央区の三越日本橋本店(高原大観撮影)

 伝統工芸の職人の技とデジタル技術を融合させたサービスを展示する「伝統×革新 アトムとビットの可能性」が、東京都中央区の三越日本橋本店で開かれている。特に、VR(仮想現実)技術を使って、国宝の刀剣「三日月宗近」を実際に持っているかのように動かせるサービスが、刀剣ファンの間で話題となっている。

 今回、映像のもととして使用されているのは、「押形」と呼ばれる実物をかたどった絵だ。写真と異なり、描き手の思いが伝わってくる。日本刀研究の権威として知られた佐藤寒山氏(1907-78)の作品だ。

 頭にVR映像を見るための装置をつけてコントローラーを持つと、刀を実際に手にしているような光景が映し出される。刀の長さなどが実感でき、刀の根元の銘もはっきりと確認できる。コントローラーを動かすと、自在に刀を操っているような感覚が味わえる。

 サービスを体験した会社員、境野亜希さん(35)は「宗近を見るのは初めてですが、長いと感じた。刀を実際に抜くのは大変だったのでは」と、高いVR技術に感心していた。

 また、別の女性会社員は「国宝を間近で見ることができて素晴らしい体験ができた。実物を鑑賞のときに持つと女性では重く感じるときがあるが、VRでは重さを感じずに楽しめる」と話していた。

 押形を用意した日本刀販売などを手がける「STUDIO SHIKUMI」(渋谷区)の河内晋平代表取締役は、「今回は宗近だけですが、いずれ天下五剣をはじめ、刀鍛冶の工房や甲冑などにもサービスを広げたい」と、第二弾、第三弾の仕掛けを示唆した。

 「伝統×革新 アトムとビットの可能性」は1月9日まで。観覧無料。元日は休館。

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 ■「三日月宗近」 「天下五剣」といわれる刀剣の一つで、平安時代に京都三条に住んでいた刀鍛冶、三条宗近の作と伝えられる。「三日月」の名の由来は刀身に三日月形の模様が見られることとされ、その美しさに魅了される者は後を絶たない。所有者は豊臣秀吉から正室の高台院、徳川将軍家などを経て、現在は東京国立博物館が所蔵している。(WEB編集チーム)