「iPhone X」のフロントカメラをもっと活用 アプリで楽しむ 似合う眼鏡も自在に

 
ワービーパーカーのアプリのスクリーンショット

 2017年11月3日に米アップルが「iPhone X」を発売した。搭載する「トゥルーデプスカメラ」という、ディスプレイ側のいわゆるフロントカメラは、優れた3D認識機能を持つ。これにより、従来のiPhoneが採用してきた指紋認証に代わる顔認証を実現しただけでなく、表情によってアニメーションが動く「アニ文字」などを導入している。

 しかしこのカメラの使いみちはこれだけではない。サードパーティーもアプリへの活用を開始しており、顔の形にぴったりの眼鏡フレームを選んでくれたり、フルフェイスマスクを楽しめたりするアプリが提供されているのだ。

自撮り写真やアニ文字も楽しめるカメラ

 こうしたユニークなアプリを紹介する前に、まずはiPhone Xのトゥルーデプスカメラとその機能についてもう少し詳しく説明したい。

 このカメラシステムは、iPhoneディスプレイの中央上部の黒い部分に収められた、赤外線カメラ、投光イルミネータ、近接センサー、環境光センサー、700万画素のフロントカメラ、ドットプロジェクタなどがセットになったもので、「フェイスID」という顔認証を行うために用いられる。

 3万以上の目に見えないドットを投射してユーザーの顔の形状を読み取り、深度マップを作成。iPhone X側に記録した顔情報と、カメラで読み取った顔情報とを照合し、認証を行う。

 ちなみにアンドロイドを搭載したサムスンなどのスマートフォンも顔認証を採用しているが、3Dではなく2D技術であり、フロントカメラのみを使用しているため、iPhone Xのトゥルーデプスカメラに比べて精度が落ちる。

 さてこのトゥルーデプスカメラだが、顔認証以外にも、一眼レフ並みに背景をぼかした自撮り写真が撮れる「ポートレートモード」や、顔にある50以上の筋肉の動きをとらえて解析し、パンダやウサギ、ユニコーンなど、12種類のアニメーションキャラクターに表情を反映させるアニ文字を実現している。

 アニ文字では、顔の向きを変えたり、笑顔や泣き顔、怒り顔を作ったりすると、画面上のキャラクターの表情も同じように変化するのでなかなか楽しい。

オンラインの眼鏡ブランドならここまでできる

 冒頭のアプリの話に戻ろう。「ワービーパーカー」は、米ペンシルバニア大学ウォートン・ビジネス・スクール出身の4人が2010年に立ち上げたオンラインショップの眼鏡ブランド。同社の特徴は、最大5つまでの眼鏡やサングラスを自宅で5日間、無料で試着できるシステムを提供していることだ。

 ウェブサイトで5つのフレームを選ぶと、送料無料で自宅に届く。返却時の送料も無料で、気に入ったものがあればオンラインで注文するという仕組みだ。

 そのワービーパーカーが、iPhone Xのトゥルーデプスカメラを利用した新機能をアプリに追加した。カメラで自分の顔を撮影すると、解析を行い、顔の形状に合ったフレームをお勧めしてくれる。

 実際に筆者が試してみると、画面上に写った自分の顔がみるみるうちに網目で覆われ(顔を立体的に解析しているのだ)、お勧めのフレームが12個表示された。筆者はいつも長方形に近い形状の眼鏡を選んでいるのだが、お勧めされたフレームはほとんどが丸型だった。複数回試してみたが、フレームは若干変わるものの、丸型が大多数という同じ結果が出た。今までかけてきた眼鏡は実は似合っていなかったのだろうか…。

フルフェイスマスクのフィルターを筆者も試すと…

 投稿したメッセージが一定時間経過後に消滅する仕組みがアメリカの若者たちに支持され、またたく間にユーザー規模を拡大したスナップチャットを展開するスナップも、トゥルーデプスカメラを利用した新機能をアプリに追加している。同社がいち早くこのカメラを用いた機能に取り組んだのはある意味当然とも言える。というのは、前述のアニ文字開発に協力したのがスナップだからだ。

 iPhone Xでスナップチャットのアプリを使うと、まるで顔に直接ペイントしたかのような、フルフェイスマスクのフィルターをかけることができる。実際に試して写真を撮影してみた。マスクをかぶったというより、自分がロバ?(何の動物なのか不明)に変身した気分だ。

 現時点ではこのほか、眉毛を上げるとアイマスクが装着されるフィルター、口を開けると虹色のバーが流れ出すフィルター、動物の耳・鼻・口のフィルターなどが楽しめる。またカメラロールに保存してある写真の人物の顔と自分の顔を入れ替えることもできる。

 今後さらに技術が発展すれば、顔だけでなく全身をマッピングして、身振り手振りでアプリの操作をしたり、特別なヘッドセットがなくても仮想現実(VR)や拡張現実(AR)ゲームが楽しんだりできるようになるかも知れない。(岡真由美/5時から作家塾(R))

 《5時から作家塾(R)》 1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。